Q わたしの思考探究(1)
教育テレビで放映された同名の三十分番組を書籍化したものである。毎回一人の「謎かけ人」(その多くは芸能人)が一つのテーマに関して質問し、一人の「賢人」(その多くは大学教授)がその質問に答える。テーマは毎回異なり、本書では初回放映分から第六回放映分までが収録されている。全てを観たわけではないが、テレビで放映されなかった会話も収録されている反面、テレビでは放映されていた会話が省略されたりもしている。
この番組に興味を持ったのは、普段活字でしか読むことのできない知識人の生の声を聴くことができるからであった。鷲田清一、入不二基義、等々、錚々たる顔ぶれが並び、活字からは読み取ることのできないさまざまな個性を垣間見せてくれる。
そういった意味では貴重な番組なのではあるが、「賢人」の愛読者にとっては少々不満が残る点も否めない。例えば入不二の愛読者にとって、入不二のレスリング・シーンや対談での誠実な態度は、観ていて飽きないお宝映像なのではあるが、そこで語られている内容はいかんせん歯がゆいものにとどまってしまっている。「この人の力量はこんなもんじゃないのに」といくら歯軋りしても、パロール(話し言葉)の限界や初対面である謎かけ人および視聴者への配慮、さらには三十分という時間的制約が、コンパクト過ぎる物足りなさを招来するのはメディアの違いの宿命であろう(同様の歯がゆさは「謎かけ人」のファンも感じているのかも知れないが)。
それがさらに本書のように書籍化されてしまうと、映像や音声といった情報が脱落して、残るのは話し言葉を活字化した(決してエクリチュール(書き言葉)ではない)記録のみになってしまう。もっともテレビを観ていない読者に対してはそのギャップが顕在化しないわけで、それが逆に誤解を生むリスクにもつながる。「対話型知的エンタテインメント」と銘打ったこの番組の制作から書籍の編集までには大変な苦労があったろうし、試みとしては大変面白いと思うのだが、本書はあくまでも「きっかけ」でしかなく、その先にある思想や哲学への踏み台に過ぎない。そのことを重々承知した上で、しかし(だからこそ)気軽に手にとってほしい、そんな一冊である。
最後に見た風景
死ぬ瞬間に、自分の目に映る物は
いったい何なんだろう と
考えたことがあるだろうか
冨永愛・中島美嘉・夏木マリ・小池栄子
などなど、各ジャンルの
今をときめく美女達が織りなす
最後の風景
草原の中で、印象的な赤をまとって
死ぬUA
薄汚れた、下町の道の真ん中で
ボロ雑巾のように捨てられて
死ぬ、長谷川京子
・・・
彼女たちそれぞれの色がとても美しくて
思わず引き込まれてしまう
彼女たちが選んだ、それぞれの死
彼女たちはその瞬間、どんな風景を見たいと
願ったのだろうか
その瞳には 何を映したのだろう
そんな想像が かき立てられる一冊
「機動警察パトレイバー」コンプリート・ヴォーカル・コレクション
初期OVAの曲が入っていないのは残念ではありますが、一曲目が「守りたいの」、二曲目が「コンディション・グリーン」という並びがいいですね。テレビやOVAでの使用された順と脈絡なく冨永、笠原といった並びになっている辺りに他意があると感じられる人にこそ聞いて欲しい一枚。関係者のコメントによるライナーノーツ(?)も興味深い内容です。
WWD for Japan (ウィメンズ・ウェア・デイリー・フォー・ジャパン)2010 秋号 2010年 10月号 [雑誌]
ファッション誌は殆ど買わないのですがテレビで頻繁に見かける有名人が多数登場しており満足しました。また最後には男子の読者を意識しておられるのでしょうかパリコレの特集があったのがよかったです。
パーソナルプロジェクトマネジメント
本書のはじめにで著者自身が述べているように、本書は「成功ノウハウ本」の1種であり、PM(プロジェクトマネジメント)の本ではない。しかし、仕事以外の個人のプライベートな活動をPM的視点で考えるとこうなる、ということを述べているという点ではPM的なものの考え方に関する本である。著者がPMの第一人者であるとはいえ、PMの技法について学べるわけではない。
読後の感想としては、著者がPMとして非常に著名な方なので少し期待しすぎたところがあり、特に紹介事例は意外に平凡な印象を受けた。考えてみれば、PMという手法そのものが、事象の見えるかによって制御可能な状態にすることが本質であり、そういう意味では各事例もPM的手法で表現すると、実行そのものは極めて平凡なものになる。
本書の価値は、目標達成するために必要な要素をPM手法という確立された手法のアナロジーで理解することによって、目標達成のために、何が自分にとって重要かを判断しやすくなるということである。たとえば、私の場合、ステークホルダーの合意という部分で、配偶者の合意をとりつけることの重要さにあらためて気づかされた。仕事ではあたり前にやっていることを、私生活に応用するという点では、PM手法以外にも活用できることがあるかもしれない、と気づくこともできた。