テネシー・ワルツ~女性ヴォーカル・ベスト・セレクション
ジャズ・ボーカリストなどさまざまな女性シンガーの名曲ばかりを揃えたオムニバス。パティ・ペイジの「テネシー・ワルツ」をはじめペギー・リーの「ブラック・コーヒー」などのスタンダードナンバーがずらりと収録されていて聴きごたえは十分。このシリーズはSHM-CDなのでボーカルや各楽器の音が明瞭で全く原盤の古さを感じません。半分以上はモノラルにもかかわらず全く音楽をスポイルすることがありません。かえって落ち着いて聴くことができます。
恋をしましょう~LIVE AT BASIE
のびやかな、そしてキュートな歌声で、まさに目を閉じるとさながら会場にいるような錯覚を覚えた雰囲気のある作品です。
また当時の音源がこのような状態で残っていたことに驚きました。
ファンの方にも、アニタをお聞きになられた事のない方にも、一押しの作品です。
真夏の夜のジャズ
盛岡市内の今はない映画館で自主上映会があり、はじめてこの映画を見た。もう30数年前のことだ。スクリーンに登場するジャズミュージシャンにただただ感激した。なにしろ、外国のミュージシャンの画像なんて、まず見る機会がない時代だったのだから(東京と違って、コンサートもそんなになかった)。
ジャズミュージシャンもさることながら、客席の雰囲気にも魅了された。あるいは、むしろその影響のほうが多かったかもしれない。
後年、聴衆のシーンの多く(アイビールックの若者たちが体を揺らして聴いているシーンなど)が、別撮り(今ならヤラせなどと批判されるかもしれないが、そんな野暮は言いっこなし)だったと知って、「まんまとだまされた」と苦笑い。それでも、やっぱりこの「ドキュメンタリー」は名作だ!
アニタ・シングス・ザ・モスト
1957年リリースのアニタの中でも最もジャジィーなアルバムです。全11曲まとまりあるスタンダードが収録されているので、リラックスしながら聞くのにいいですよ。肩のこらないお勧めの一枚です。独特の口を大きく開けて歌うアニタの歌声はハスキーで、当時37歳のおとなのムードが漂うなんとも言えない、現代でも充分に魅力を感じさせます。
Live in Tokyo 63 [DVD] [Import]
この映像は、以前、日本のポリドールから「Anita O'day In Tokyo '63」として、ビデオ、LDで出されたことがあります。TBSのスタジオで客無しの収録で、15曲を歌っています。モノクロ・ビデオ映像、モノーラル録音です。
伴奏は、ボブ・コーウィンのピアノに宮間利之とニューハード、中間で日本人のコンボ(猪俣猛、伏見哲夫、原田忠幸ら)。
ビッグバンドの編曲は、バディ・ブレグマンのもので、日本の誇る一流バンドの非常に立派な伴奏に乗って、当時43歳のアニタは、手馴れたスタンダードを快調に歌っています。コンボの曲では、日本人プレイヤーが硬くなっているのがわかり、とても微笑ましいものがあります。
内容は、全篇、文句無く素晴らしいもので、アニタファンはもとより、ジャズボーカルファン必見です。いずれにしても、これだけ貴重な映像が日本に残っていたことは、世界に誇るべきことでしょう。
ただ、ひとつ残念なのは、画像が、以前の日本盤と比較して、若干ピントが甘く、ざらつきがあるということでしょう。初めて観る方にはそれほど気にならないとは思いますが。
ちなみにリージョン1ですが、我が家の普通のDVDプレイヤー、パソコンでは普通に再生できました。
余談ですが、TBSには、未商品化のシナトラの’62年東京でのライブビデオが、2種類あるはずですので、今度は、どこかで出して欲しいものです。