ドリームズ・カム・トゥルー
「あなたに会いたくて」がドリカムとの初めての出会いでした。
当時は折からのバンドブームで巷には沢山のバンドが溢れかえっていましたが、彼らはその中でも超がつく程の正当派路線で、だからといってそれまでありふれていた曲達とは違い、女の子を気持ちをとても上手く表現している曲が新鮮でした。
アルバムが出るのを心待ちにしたのは随分と久しぶりだったと思います。
今でのこのアルバムの全ての曲が好きです。
「あなたに会いたくて」だけでなく、「それでも恋は永遠」とか「STILL」とかもいいですね。
「STILL」なんて聴くと、今でも涙が出そうになります。
ぜひぜひ、恋をしている女の子に聴いて欲しいアルバムです。
最近ではすっかり聴かなくなってしまったドリカム。<!BR!!> 多分この頃の曲にあったドキドキする感じが薄くなってきてしまったからなのかもしれません。
最悪で最高の恋人 (ラズベリーブックス)
普段はヒストリカルばかりでコンテンポラリーものは読まないのですが、面白そうだと思って手にとったこれは大ヒットでした!
歴史科の教師として真面目に働く30代独身(彼氏なし)のグレイス。ステキな男性をイメージしては頭の中で恋愛ごとを妄想する癖があります。有能弁護士であるクールビューティーな姉と誰からも愛される美人な妹ナタリーを姉妹に持ち、3姉妹の中で容姿の点でも人生の点でも自分だけがパッとしないと思い込み、さらにかつての婚約者は結婚間際で妹へ一目惚れしてしまい今は妹の彼氏に。周囲からは”かわいそうなグレイス”という扱いを替えるべくとっさに彼氏ができたと家族に言ってしまいます。もちろんそれは妄想の中の彼氏「医者の恋人ワイアット」なのに本当のことを言い出せず広まる嘘を貫き通すため四苦八苦。そんなある日お隣に越してきたセクシーな男性キャラハンとは最悪の初対面をはたすもどんどん彼に魅かれます。彼氏がいることになっているグレイスはどのようにしてややこしくなった状況をもどすのでしょう・・・
完璧じゃないけど心広いグレイスは等身大のヒロイン。男らしくて格好良いけど自慢できない過去があるキャラハンも等身大ヒーロー。一人称での書き出し方ですがヒロインの気持ちがすごく伝わってきて納得できるストーリー構成。少しコミカルでもあり切なくもあり、どうなるんだろうとラストまで目が離ません。グレイスの家族や周りのキャラクターたちも個性的で話の掛け合いもおもしろい。官能度はかなり低めだけど、ドキドキ要素は充分あります。ラストのほうでの”ぶっちゃけ発言”や”たたきのめす”場面は痛快でした。お気に入りキャラクターはサバサバ姉御なマーガレットと、落ち着きあるセクシーなキャラハン。もっと読みたい!と思わせるような作品です。
国境の南、太陽の西 (講談社文庫)
この作品はここ四年くらい年に一度通読しているんですが
何度読んでも、話がどういう風に展開していって、
どういう風に落ち着いていくのかを知っていたとしても
あるいは何度同じエピソードを追っても飽きがきません。
もちろん村上春樹さんの文章のポップさや
ストーリーテリングの巧みさというのはあるんでしょうが
読書を楽しむのに適当な長さだということと
他の村上さんの作品と比べてストーリー性の展開に乏しい分
一場面ごとの主人公の感情が緻密かつ繊細に描かれているので
読み返せば読み返すほど、そして本作のモチーフの関係上、
年を取れば年をとるほど味が出てくる、
するめのごとき魅力をこの小説が持っているのが
私が何度も読み返してしまう理由だと思います。
これが「ねじまき鳥」や「世界の終わりと・・・」ですと
するめが大きすぎるのでその味に飽きがきてしまうし、
かたや「羊をめぐる冒険」や「ダンスダンスダンス」ですと
展開で読ませるタイプの作品なので
「これするめじゃなくてさらみじゃん?」
ということになってしまいます。
よって繰り返して読む村上作品チャンピオンシップなんてのが
あったとしたならば私はこの作品に投票するでしょう。
いうなれば長く効く麻薬みたいな。
もはや一生モノです。