私を抱いて下さい(DVD付)
美しく切ないバラード「友達の詩」がロングヒット中の中村中の1月の「天までとどけ」以来11ヶ月ぶりのセカンドアルバム「私を抱いて下さい」で、歌詞からタイトルを提案した(のかな?)「リンゴ売り」とそのアンサーソングとなっている「裸電球」を含んで計11曲が収録されます。もし「天までとどけ」が彼女の其処までの人生の濃縮版だったら、この「私を抱いて下さい」がその続きではないでしょうか?メジャーデビューを果たし、更に「何故歌っているのか?」や「何の為に生きているのか?」という問題をより自らに問いかけ、より身近に感じてきて、そして自分との戦いがより激しくなっている中村にとって、今まで感じた戸惑いや暗さなどが一層強く感じてきたに違いなく思っていますから、タイトルのテーマを皮切りに彼女は未だそんな答えを探し求め続けているのでしょう、音楽の道を進みながらも。でも先日放送の中村が出演した「みゅーじん」でちらっと「裸電球」のライブ・ヴァージョンが流れましたが、本当に暖かい歌で、今まで出した曲とはかなり一転しますが、やっと自分の生きられる意味を見つけたのかしら?私はそうであると心より望んでいます。より自分自身に気楽でいるような生活が過ごせるようにとね。
日常の葛藤(特に彼女の場合)をモチーフにした歌詞、歌謡曲を彷彿とさせ、それを思い出させるようなメロディライン、そしてあの感情豊かな歌声。中村中は本当に今年アルバムデビューを果たした歌手の内、一番才能の持っているアーティストだとずっと思っています。彼女の音楽に溢れている人間性は何よりも今私たちという完全な人間(かな?)にアイロニカル的に欠けているモノで、彼女の曲を聴くと私たちが過ごしている毎日を振り向き、「一体何をしてきた」と考え直させます。スピードやペースがちょっと早いだと思っていますが、「私を抱いて下さい」はどうなるか楽しみにしています。2007年度ベストアルバムの一品として輝くべきアルバムだろうと素直にそう思っています。
月夜の雨
ふとテレビで聞こえてきてチェックし、スローバラード系のジャンルが好きな私は
初めて買ってみました。
全体に、まとまっているCDではありますが、ちょっと全体の曲調は暗めですね。
暗くてしんみりするけど、盛り上がるところもほしいという私の曲調選択としては
★3つかな。
このアーティストが売れるには、前半はいいにしても、サビをもう少しアレンジして
希望を持たせる曲展開であれば、売れると思う。
頭から最後まで全体的に暗めから→暗めという感じでは、飽きられる方や思い出す曲調
とまではいかないのかな・・・。
もうひとがんばりですね。
あったかく、して。 (TENMAコミックス LO)
★4の特上。
著者の2冊目。
主治医への真っ直ぐな想いだけ遺して逝く少女のお話『パジャマパーティー』は、難しいモチーフである幽霊物語を奇才がどう料理していくか興味津々だったんだけど、感動もきっちり演出してるとはいえ、全3話でこうもあっさり完結してしまうと、ちょっぴり肩すかし。
死に魅入られた青年と少女がビルの屋上で邂逅するドラマ『太古の森』は、リアルをベースにイメージ化させたファンタジーが抜群で、もはやロリエロ漫画という枠には収められない名作漫画レベル。
大好きな青年とピクニックな少女の、アツアツドキドキ緊縛初体験『小鳥の縛り』。
セックスが怖くて大好きな兄との行為に踏み込みきれない少女が兄の親友な女友達の計らいでハードルを跳び越える『AWAKE』。
カラー4頁含む、オバケを怖がるオネショ少女な妹が大好きな兄から勇気をもらう『真夜中の妹』。
娘を収穫し意のままに扱おうとする父と、行為の意味するところを知ってしまう娘の、それぞれの想い『家庭菜園』は、不協和音な最終頁こそが著者の真骨頂なんだけど、リアル派の方以外ならドン引きになる可能性も大。
思いを遂げられぬまま最愛の父は逝き、十になって秘密の儀式に耐えられる性徴を見、見果てぬ夢を自らの手首が撒き散らす血涙で汚し魔法陣に托す、少女の幸せな微睡み『夕蝉のささやき』は、狂気な愛のカタチに戦慄すら覚えた。
裏表紙もカバー折り込み部もカバー内も超ステキ。
今回は少女萌え方面に大きく傾倒した作品も多め。
リアルとファンタジーの鬩ぎ合った作品がほとんど。
どんな絵もどんな作品も描ける柔軟性こそが最大のネックになりかけてる部分もアリ。
『夕蝉のささやき』『太古の森』『家庭菜園』が最愛。
エビ宣伝にひと言。「魂を宿したロリータ」という件は全面的に支持だけど、「すべてに圧倒的」と煽るならせめて、奇才を枠に填めようとするのはやめてくれ。
真夜中の雨 DVD BOX(6枚組)
素直に、「面白い」と思えるサスペンスドラマ。
展開のどんでん返しが上手く決まっており、
一度見始めたら、途中で放棄するのはなりにくいと思える出来。
つまり、お薦めということです。
病院を舞台に、バラバラになりかけた家族が再生してゆくという、
ヒューマンドラマの要素も後半は強くなっていきます。
まあ、最後は綺麗にまとまり過ぎという感じもしないでもなかったけど。
そのわりには、かんじんの主人公である織田&松雪コンビがそれまで良い感じだったのに、
その男女の顛末が中途半端と言うか…
もう少し見たかったところに、寸止めな感じも。そこが個人的にはマイナス。
でも前半〜後半までを通して、ずっと飽きずに見られる上々なドラマだった。