レガシー:ザ・ベスト・オブ・マンサン(DVD付)
知る人ぞ知るバンド。 あまり認知度は高くないが、短いながらも非常に優れたアルバムを残した。 まさに文字通り遺産的なベスト盤。 kleptomaniaが最後のファンサービスになったけど、未だにファンは待ち望んでいる。 ポールの歌が、チャドのギターが帰ってくるのを。 アルバムではsixが名盤中の名盤だ。 病的なまでの毒気、瘴気を孕んでおり、狂気染みた転調によりラジカルなドラマが展開される。 タイトル通りsicks(six)、病的なロックミュージックだ。
Attack of the Grey Lantern: Collector's Edition
傑出して完成度の高いファーストアルバムを生み出してしまったが故に、その後は、行き場を失って解散に至ったバンドです。
バンド解散後、10年以上を経て、過去の1stアルバムがバージョンアップして再販されるあたりに、バンド自体が、本来的に持っていた市場価値が、よく表れています。
繊細な精神性と緻密な音楽的ロジックの極みを持ってアルバムを作っておきながら、剥き出しの感情論を全身から吐き出すかのようにライブ演奏をする…、そんな不思議なバンドが、世紀末の英国には、確かに存在した、その忘備録のようなアルバムです。
その音楽性は、まるで思春期のように無垢で儚い響きであるが故に、私は、いつまでもマンサンが忘れないのでしょう(笑)
SIX (ENHANCED)
1998年に発表された2ndアルバム。
鳴り物入りでデビューし、1stアルバムは全英1位を獲得したバンドが作り上げたアルバムは、耽美的な前作とはうって変わり、実験的で、非常に難解な作品であった。1曲目の“Six”から展開が目まぐるしく変わる曲であり、アルバムを通じてその流れは変わらない。とにかく前作とは別人と思えるほど野心的な作品に仕上がっている。
1回聞いただけではそのアルバムの真価は分からないと言われるが、その言葉がこのアルバムにはぴたりと当てはまる。
(確か)レディオヘッドのT・ヨークもこのアルバムを評価していたと思う。確かにこのアルバムの、もはやギターバンドという範疇を取っ払った実験性は、かの『KID A』にも影響を与えている感じがする。
当時のイギリスのメディアはもとより、リリースから10年近く経った今でも正当な評価がなされていない1枚ではあるが、隠れた傑作であると思う。
その後、2000年に3rdアルバムをリリースするが、『SIX』に比べると凡庸なロックになってしまい、2003年に残念ながら解散。ボーカルのポール・ドレイパーは才能があるので、再び表舞台に上がってきてもらいたいと願う。