アルメニアン・ダンス全曲
これまで様々な団体に演奏され、録音されたアルメニアンダンスであるが、
このCDが一番好きである。
テンポやバランスなどが大変聴きやすい演奏なのである。
アルメニアンダンスの1楽章に当たるパート1の
5/8の前のリステッソ・テンポの場所は、ややテンポが落ち、ゆったりした演奏に仕上がっている。
これも個人的に好きである。
今までのCDはここでテンポが速くなるので、こういうパターンもあるのだなと思います。
最後の「行け、行け」も、シエナの演奏は速すぎる気がする。
この音源のテンポの方が、理想的な速さなのかもしれない。
アルメニアン・ダンス[全曲]
既に古典になった感も有るアルメニアンダンスを全曲収録+メトロポリス
というアルバムです。
佐渡&シエナの演奏そのものは『ブラスの祭典』シリーズの実績があるので
今更ここでどうこういうことはありません。前述シリーズに手を出し、好感想を
持たれた方なら期待に違うことの無いものを得られると思います。未見の方に
とっても、何かのイベント時に集合する団体では無く、定期演奏会&全国巡業を
行うことで地力をつけているバンドですから、演奏スタイルの嗜好を除けば
やはり期待を裏切ることはないと思うのです。
アルメニアの大地を想起させる雄大のホルンの調べ、静寂と賑わい、相反する
ものをしっかりと再現した木管、先祖伝来の土地を守って来た民族の自信を歌う
金管、フィーバーしまくりの打楽器群。
ノリノリの、そして演奏したくなる気を起こさせる危険な演奏です(笑)。
更にこのCDの良い所はライナーノーツがしっかりしているところ。吹奏楽
ファン・マニアはおなじみの富樫鉄火氏によるそれからは、曲目解説と氏の想い
が伝わってきます。
レジェンダリーコレクションズ
吹奏楽コンクールの「伝説的」名演奏を各団体毎に収録したのが、この『レジェンダリー・コレクションズ』。同シリーズはシリーズ5まで登場していますが、この野庭高校のCDはその第1シリーズです。
コダーイの『くじゃく』を吹奏楽編曲で全曲聴けるのがとても珍しくそちらにも目移りしますが、何と言ってもこの品で特筆しておきたい収録曲はアルフレッド・リードの作品です。特に『ハムレット』と『オセロ』は吹奏楽コンクールでも最高峰に君臨する名演だと思っております。
学校の統廃合により野庭高校自体は無くなってしまいましたが、未だに"野庭サウンド"には根強いファンが全国各地におられますし、コンクール・演奏会問わずリード作品を演奏する際には、是非ともこのCDを一聴し、リード独特のオーケストレーションが引き出す管楽器の魅力を存分に感じてください。「野庭のリードを聴かずしてアルフレッド・リードを語るなかれ!」とさえ言いたくなってしまう一品です。