アンフェア the answer DVDプレミアム・エディション
私はドラマ版「アンフェア」のファンでしたが、SP1で雲行きが怪しくなり、
それに続く「劇場版1(the movie)」の あまり出来の悪さに落胆した人間です。
本作の直前に北乃きい主演の「ダブルミーニング 二重定義」が放送されましたが、
ほとんど本編に絡まない内容であったため、地デジ録画だけで済ませました。
この最終作「アンフェア the answer」はネット上での酷評がすさまじかったので
まったく期待せずに劇場へと足を運びましたが、単にドラマのイメージと異なって
いるというだけの話で、劇場版1より遥かに完成度の高い仕上がりとなっていました。
また香川照之さんも少ない出番ながら、非常に重要なシーンを熱演されていますし、
監督の佐藤嗣麻子さんによる女性視点でのストーリー描写が目立つ作品です。
プロテクトドングルの謎を打破する香川照之氏のIT技術力が神レベルだったり、
予告編インパクト画用に殺される無関係な女性がいたりと違和感もある作品ですが、
そういった欠点を補って余りあるほど、最後に悪党をギャフンと言わせた後、
「○○、馬鹿かお前は…」と吐き捨て→夫婦の絆を見せ→テーマ曲→タイトル→
怒涛の伏線回収しまくり映像群→中島美嘉「Love is Ecstasy」で決めるという
素晴らしい演出が最高に格好良く、有終の美を飾っていると思います。
映画「シックスセンス」のように、1回目より2回目の方が楽しめる映画であり、
実際の国家機密が入ったUSBメモリの行方を考えるだけで面白い傑作邦画です。
アンフェア the special 「コード・ブレーキング ~暗号解読」 [DVD]
やや辛口な評価ですが、映画につなげるための話です。演出もTVシリーズ・映画とは違う人がしていますが違和感はありませんでした。ただ音楽はいただけないです。私の好きな映画「ブラックホークダウン」の音楽をそのまま引用しているのは減点対象です。一応設定では雪平の父は91年に殉職なのに、なぜウィンドウズ95もない時代に雪平の父親がPCに暗号化して保存し、現代のPCで簡単に開ける事が出来たのか?娘が警察官になる事を見越して娘にしか分からない暗号化が出来たのか?その辺りは細部をつつくとホコリが出てしまいます。ですが登場人物の個性や篠原涼子の魅力的な雪平のお陰で何とか乗り切っています。
私は実はこの特番もTVシリーズもほとんど観ないで映画を観ましたが、逆にあらゆる人が怪しく思えて却って楽しむことが出来ました。
THE LAST MESSAGE 海猿 スタンダード・エディション [DVD]
劇場でまず3Dを見始めたらピントがずっと合わない。
3Dグラスが合わないのかスタッフに尋ねると、今作は3D撮影したものではなく通常撮影した後に3D処理した作品なので見にくい場合もあるとのこと。
確かにヘリコプターの機体に「海上保安庁」の文字がありますが、3Dでみると動いてるヘリの機体の文字は終始ブレたままで見にくい。
劇場ではスタッフが3D用グラスの使用料を返金してくれた上に30分後に上映開始の2D版の席を用意してくれた。
2Dで観たらストーリーに集中できて最後までストレス無く観れた。
まだ家庭用3Dでは試していないが『3Dで観たい』って方にはオススメしかねる。
個人差があると思うので一考まで。
内容はお馴染みの仙崎大輔を演じた伊藤英明が活躍する救出劇だが、今回は前作のリミットオブラブよりも更にスケールアップした洋上に浮かぶ天然ガスプラント(工場のような物)からの脱出。
諸外国との共同運営している工場だけに事故が起きて、数名の邦人の命を救うために天然ガスプラントを放棄するかどうかの判断を外交の立場から政府が迷う。
この作品、セットにはかなり凝っててお金もかかってると思う。
見どころはアクションシーンはもちろんだが、海猿はやっぱり泣けるシーン。
仙崎の妻役を演じる加藤あいの回想シーンはやっぱりジーンとくる。
欲を言えば時任三郎と石黒賢にもっとアツい男っぷりを演じて欲しかった。
評価は★3つですが、これは今作の評価が低いのではなく、前作までのシリーズの完結編的な位置づけの三作目よりも過去の作品のデキが良かったため。
悪くはないですよ。
新宿インシデント [Blu-ray]
本作はほとんどが日本ロケで撮られている。歌舞伎町や新大久保といった「本場」にまでカメラを持ち込んでいるので、その緊迫感もウソっぽくない。作風としては、香港版の仁義なき戦いといったところで、密航船で入国したティエトウやアーチェが、新宿でのし上がっていく過程を描いている。ジャッキーはここしばらくハリウッド作品が多く、それもステレオタイプの役柄ばかり演らされていたから、久し振りの鬱憤晴らしになったのでは(笑)。やっぱりアジアのスターはアジア発信で世界へ出たほうがよいのだろう。アクションシーンはほんの数カットであり、ほぼ初めて「演技者・ジャッキー」を観ることができる。それからダニエル・ウー、竹中直人、加藤雅也の3人もカッコ良かった。中国では内容にクレームが付いたそうだが、逆にいえば日本人から観れば違和感がないということだ。自国のスターが日本寄りの作品に仕上げたのが問題だったのだろう。カメラは北信康と福本淳という、日本映画を支える黄金コンビが担当しており、迫力ある映像を堪能できる。北は「クローズ0」も撮っているし、最近はこのテの乱闘物(笑)が多いようだ。特典映像もメイキング、インタビューなど90分以上収録されており(SD画質だが)、見応えがある。星4つ。