アンネ・フランクの記憶 (角川文庫)
アンネの日記を幼いころ読み、再び読み返すことはなかったが、
本作を読んで、再び読み返そうと思った。
アンネの文学的才能に敬意を表し、彼女の死を心から
悼んでいる小川洋子が、アンネの記憶をたどる旅をする。
アムスにある一家の隠れ家、ドイツの生家、
アウシュビッツ…
また、旅の途中では、生前のアンネを知る貴重な人々に
インタビューをする。アンネの親友、そしてアンネ一家の隠れ家での
生活を支えた婦人。
小川洋子の視点から語られたその記憶全ては、美しく、生き生きとして、
またとてつもなく悲しい。ところどころで感じる静寂さの中に、
かつて生きていた人々の息遣いまでもが聞こえてきそうなほど。
読んでいる間、著者とともに旅をしていたような気分に。
そしてその導き手が小川洋子であったことに、心から感謝。
アンネの日記 [DVD]
第2次世界大戦下、実在したユダヤ人少女アンネ・フランクの半生を描いた
作品です。とても忠実に描かれており、マイケル・ナイマンのミュージックでも
涙しました。物語は、13歳の誕生日の日から始まり、次第にユダヤ人狩りが激しくなります。
そんなとき用意しておいたのが、事務所の「裏の家」です。アンネたちはここを隠れ家として
2年間生活していました。そんな中、作家になりたいという夢と、生き延びたいという希望を
忘れずに、日々日記をつけていました。最終的に警察に捕まり、晩年はマルゴーとともに
強制収容所で息を引き取ります。
私が特に感動したシーン。それは、8月4日、捕まられるとき、アンネが父オットーに
力強い目つきで軽く頷きます。そのとき、悲しい曲が流れ、涙が止まらなくなりました。
私たちは、今、こんなにも幸せな生活をしています。アンネも、こんな時代に生まれてきたら、作家という大きな夢も、実現したのではないでしょうか。そして、私たちは、
今の世の中を、精一杯生きなければなりません。立ち向かわなければなりません。
世界が平和になるその日まで、戦争・差別があったということを決して忘れてはいけないのです。今なお幼い子供たちにも、教えていかなければならないのです。
アンネの日記 [DVD]
戦争の愚かさ、むごたらしさが、一人の少女の日記を通して見せつけられた。人生、これからだという少女、アンネにとって、その短い人生はあまりにも悲しすぎる。一緒に隠れ家に身を隠していた青年との恋愛は、本当に純粋で、戦争がなければ希望に満ち溢れたもになるだろうに、隠れ家が見つかってしまうところで、悲しくも終わってしまう。この作品、「アンネの日記」は本で読んだのかわからないが、もちろん知っていたが、映画で観るのは初めてではないかと思う。まさに、涙なしでは観ることの出来ない、そして、過去の過ちを再認識させられた、壮絶な作品だと思う。
アンネの日記(サントラ)
「ピアノ・レッスン」のサントラの後に聴いたので
「はいはい、いつものナイマン節ね」って感じ。
制作時期が近いから仕方ないのでしょうが、 新しい何かとの出会いはなかったですね。ちょっと残念。
「IF」がよかったので星4つ。
アンネ・フランク [DVD]
15歳という短い生涯であったにも関わらず
世界中で知られている女性「アンネ・フランク」
の人生を描いた作品。
この作品を通して、人の汚さや生きる喜びを感じられる人の良さ
といった「人」について考え、何かしらの気付きが得られます。
観て思ったのが、もっと早く知りたかった!ということです。
マスコミでナチスの被害者として取り上げられること
が多いですが、そこには
・隠れ家で耐え忍んでいたこと
・共に隠れていた男の子との恋愛
・収容され、容赦なく強制収容所に送られたこと
・強制収容所にて死んでしまったこと
といった部分のみに焦点があてられている感じがします。
しかし、この映画では「アンネ・フランク」という女性を通して、
・迫害が起こる要因とその現実
・周りに同じように苦しんでいる人がいる中での振る舞い
・幸せな人間と不幸な人間が出来てしまうのはなぜか。
といったことに気づかせてくれます。
事実が明確に流れを追って再現されているため、
「戦争」「権力」「人類」と様々なことを考える機会を得られました。
■アンネ・フランク
1929年ドイツ生まれ。
ユダヤ系ドイツ人の娘として生まれる。
資産家の子供であったため、幼少の頃から裕福に育てられる。
1933年にアドルフ・ヒトラーがドイツ国首相に選ばれたことで、
ユダヤ人迫害が行われたため、フランク一家は難民に寛容な
オランダに移り住む。
1940年にはオランダにドイツが侵攻、5日で陥落する。
1942年にアンネの姉・マルゴーに招集通知が来たことで
父の経営する会社の裏側にある家へ隠れることになる。
下では非ユダヤ人が働いているため、見つかると密告される危険性
があったため、昼間は音を立てずじっと我慢の生活。
そんな生活も1944年の8月に見つかってしまい、アンネを始めとする
8人のユダヤ人は、強制収容所に収容される。
それぞれがばらばらの生活となり、アンネは1945年3月にチフスで
亡くなる。(わずか1ヶ月後にはイギリス軍による解放が行われる)
他の仲間も次々死に、生き残ったのはオットー・フランクのみ。
後に彼がアンネの日記をタイプし、世界的ベストセラー『アンネの日記』
が世に出ることになる。