後期ショパン作品集
甘くなく、深遠な演奏。オトナです。
買う前は、晩年のショパンと円熟したピリス、2人の心境がオーバーラップするような企画物?と思っていました。で、ロマンチック色が濃そうなので躊躇していたのですが、レビューを見て購入して正解でした。
ソナタ第3番、夜想曲第17番の出だしから最高。感傷的ではありますが、抑制が効いていて落ち着いて聴くことができます。演奏はゆったりとしていて、統一感があります。
ヘッドホンで聴くとピリスの呼吸が聞こえる。心が落ち着く作品です。
いのちの歌(初回限定盤)
昔、朝日新聞の日曜版に連載されたこともある原田泰治氏のイラストがジャケットになっているだけでも、日本を意識してしまいます。もちろん、2012年の今タイトル曲を聴けば一層そんな気持ちになります。直接的に震災のことなどを歌っているわけではないですし、そもそもこの曲が作られたのは震災前ですから、そのようなことが意図されていたとは到底思えません。それでも、今聴くからこそ歌詞の意味が非常に伝わってくるような気がします。特に、静かに前を向いているような「凛とした」イメージが浮かびます。
個人的には、この初回盤こそ意味があるようにも思えてしまいます。2010年に竹内まりやのライブの最後に、ピアノを演奏しながら歌われたのが印象的でしたが、その雰囲気そのままの「ピアノ&ボーカル・バージョン」が収録されているだけで、あの至福の時を思い出せるからです。
劇場版 マリア様がみてる 通常版 [Blu-ray]
原作は読んでいないので、映画のみの感想になるが、本作の雰囲気は抜群にいい。
これはロケ地が旧制松本高等学校(現信州大学)であることが大きいだろう。
あの床が軋むようなフロアと緑に囲まれた中庭、あそこだけで大正ロマンの
香りが漂う。
ゆえに物語にもスッと入っていけるのだと思う。
作風は中原組の大傑作「櫻の園」(福田沙紀版じゃなくてつみきみほ版の方です)に近い感じで
あり、寺内監督もそのあたりは念頭に置いていたのだろう。
当然「女優映画」になるわけだが、波瑠が主演ということで締まった出来栄えになっている。
波瑠は他の若手と違い、既に大作出演を含めて一番キャリアがある女優だ。
特に森岡組の邦画史に残る1本「女の子ものがたり」の芝居は最上だっただけに、安定感も抜けていた。
それから「アバター」(J・キャメロンじゃなくて橋本愛版の方)では橋本愛の敵役として
憎々しい芝居を見せた坂田梨香子が凄くしっとりしていて、演技の幅を感じさせた。
これから伸びてくるかもしれないね。
その他お人形みたいな(笑)未来穂香や秋山奈々、平田薫など「芝居」と言う点はさておき、
瑞々しさを醸し出していて好感だった。
特典映像もHDで、メイキングと劇場内マナーCM「マリア様」バージョンが収録されている。
DVDとのセット版にはこれ以上の特典があるようだが、個人的にはこちらで十分。
星は作品の3つ、ロケ地に1つの合計4つです。