さぬきうどんに賭ける
タイトルからすると、「さぬきうどんチェーンの拡大のススメ」かなと思いました。しかし呼んでみると、田舎のおっさんが「勤めがイヤだから、好きなことをやろうと思った」夢をおっかける話。
ちょっと笑える、楽しい本です。
原色の想像力 (創元SF短編賞アンソロジー) (創元SF文庫)
第1回創元SF短編賞の最終候補作と受賞作家による書き下ろし短編が収録されたアンソロジー。確かに、どれも力作で、現在の日本SFの新しい才能の豊かさを感じた。
もちろん、全く無名の人ばかりだが、一応収録作品を挙げておく。
「うどん キツネつきの」 高山羽根子 ※佳作受賞
「猫のチュトラリー」 端江田仗
「時計じかけの天使」 永山驢馬
「人魚の海」 笛地静恵
「かな式 まちかど」 おおむら しんいち
「ママはユビキタス」 亘星恵風
「土の塵」 山下 敬 ※日下三蔵賞
「盤上の夜」 宮内悠介 ※山田正紀賞
「さえずりの宇宙」 坂永雄一 ※大森望賞
「ぼくの手のなかでしずかに」 松崎有理 ※ 短編賞受賞作家 受賞後第一作
受賞作をはじめ、どれも面白かったのだが、どこか物足りなさを感じるのも事実。こなれた作品も多いんだけど、衝撃を感じるものは残念ながらなかった。SF小説もやはり「SF」である前に「小説」であって欲しい。そういう意味では、受賞作家である松崎有理の作品が最も小説としては良かったように思う。
この中から次代の日本SFを背負って立つ人が出てくることを期待するとともに、この賞が長く続くことを願う。