探偵はひとりぼっち (ハヤカワ文庫 JA (681))
前作で恋人ができた探偵。
しかし、ある意味それで骨抜きになったようだ。
そんな折、
殺人事件が起こる。
おかまバーのアイドルが、
無残な殺され方をした。
しかし、
なぜか捜査が進まない。
探偵は自ら捜査することを決意する。
しかし、どうやらことは想像以上に大きな力によって、
握りつぶされようとしていた。
政治的な思惑が絡み、
その力は大きく、
ススキノの知り合いたちも、
彼から遠ざかっていく。
一人事件に向かっていく探偵の物語。
正義感の在り方が、
素直で、子どもっぽいところが、
彼の魅力。
特に、マイノリティーな人々への視線が、
とてもあたたかい。
この辺は作家のポリシーだろう。
政治的な思惑が絡むことによって、
さらにその反権力的な意気込みを感じた。
これまでのシリーズの中では、
最も切なく、
また、
ラストのひねりも面白かった。
残光 (ハルキ文庫)
これが東直己の最高傑作だという人が多い。ぼくは畝原ものの方が世界の深みにおいて勝っているように思うのだけれども、エンターテインメントと言う意味ではこれほど面白い作品にはまず滅多にお目にかからない。
何がこの作品を成功させたのかは一目瞭然である。傑作『フリージア』の人間凶器、あるいは殺人機械と言うべきあの榊原が、何とまあススキノ探偵ワールドに入って来てしまったのである。それだけで何をか言わんや、のまずもっての期待度なのである。それまで両シリーズを読んでいる読者には、これ以上ないほどのストロングなドリンクなのである。
だから、まずこの作品が日本推理作家協会賞を受賞したということだけで、すぐにこの本を手に取ってしまってはいけない。娯しみは間違いなく半減するだろう。榊原の登場編である『フリージア』を、それとは別にススキノ探偵シリーズ『探偵はひとりぼっち』までの少なくとも長編4冊&できれば短編集『向こう端にすわった男』の5冊、締めて計6冊を読んでから、味わっていただきたい。これはシリーズものを読むときに最低限必要とされる、ホンモノのハードボイルド志向者の掟なのである。
そう出来の良くもないシリーズの場合はぼくはこんなことは言わないけれども、これは傑作だからこそ上記のマナー、いや掟に則って読み進めてきていただきたいわけだ。
というのも、これは両シリーズのオール・スター・キャスト作品であるからだ。一人一人がただ脇役というのではなく、この作品においてはあまりにも重要な役割をあてがわれるからだ。彼らなくは成立しないほどに重要な役割を。そして彼らを知るための近道はないのだ。彼らを本書で味わうための近道は。
ここまでストリクトリー・スピーキングで話を進めることは、無責任なぼくの場合あまりないことなのだが、今実は、日本で一番好きな(好きになってしまった)作家なのである。東直己は。そこまで惚れ込んだ。だから、この人の作品は、是非丁寧に読んで頂きたいのだ。商業主義ではなく、あくまで書くべくして書かれた、どれもが渾身の作品と感じるからこそ、また誰もが読んで損をしないだろう完成度を持った作家であるからこそ、自信をもってそう言えるのだ。
これからこの作品を読める人が羨ましい。この先にはまだまだ東直己の真骨頂である畝原探偵シリーズが待っているのだから。本当に羨ましい。
探偵は吹雪の果てに (ハヤカワ文庫 JA)
ススキの探偵シリーズの最新作
「俺」は45歳になっており、昔ほどの無茶は出来なくなっているはずだが、
ちょっとしたもめ事で、入院する羽目に。
そこで偶然昔の年上の彼女に会い、ある用事を頼まれる・・・・
今回は今までと違い札幌ススキのから離れ、「斗己誕」と言う田舎町が舞台
です。
最後まで、主人公もそして我々読者もどんな事件に巻き込まれているのか
わからないまま話が進んでいきますが、間違いなくシリーズ最高傑作です。
そして、今までで一番せつないラブストーリーでもありました。
とにかくお奨めです。
探偵はBARにいる 【Blu-ray1枚+DVD2枚組】「探偵はここにいる! ボーナスパック」
大型テレビ(60インチ)にはブルーレイ画質が必須ですね。ススキの夜景空撮シーンで、ブルーレイ画質を明確に感じれます。主役の大泉洋の真骨頂かも知れませんが、新たな一面を観させてくれるのは流石ですが、この映画を彩る主役の周辺を固める配役の抜群の良さも必見。ハードボイルドはこんな感じだったと改めて実感できます。続編、シリーズ化を熱望します。
映画「探偵はBARにいる」オリジナルサウンドトラック
滅茶苦茶良かった!
作品全体がテンポよく、あっというまにラストでした。
大泉さんと松田さんの絡み、大泉さんの泥臭さと小雪さんの上品な美しさ
高嶋さんの演技にもギョッとしました。
原作を読んでいましたので、大泉さんが正直こんなに探偵をうまく演技出来るとは思って
いませんでした(ごめんなさい)大泉さんは、天才?努力家?とにかく良かったです。
この凄さを、うまく文章に出来なくて残念です。
DVDにはやくなってほしいです、映画の余韻に浸りたくサントラ購入しました。
音楽も飽きる事なく、浸れるCDで満足!