彦馬がゆく
amazonのユーザーの皆さんに朗報です。(株)PARCOから発売されているパルコ・プロデュースによる三谷幸喜の一連の傑作舞台ライヴが、DVD−ROMとのコンテンツではありますが、当amazonでも購入可能となりました。
今や演劇界のみならず、映画、テレビ、出版と八面六臂の活躍を見せる三谷ですが、彼は劇作家ゆえ、その真骨頂は、言うまでもなく舞台にこそあります。
東京サンシャイン・ボーイズ時代から、その舞台を追い続けている者として、いつも感心するのは、ほぼ毎年打たれる新作が例外なく面白いと言う事実です。
今回、amazonで購入出来る作品群は、三谷がテレビや映画の媒体でも成功し、広く世間にその名を知らしめてからの作品ばかり。
チケットを取るのもひと苦労なその作品群を殆ど総てライヴにて鑑賞し、またDVDも所有しているコアなファンとして、関心を持たれる方に、どの作品からご紹介しようかと考えた挙げ句チョイスしたのが「彦馬がゆく」です。
江戸末期の浅草、当時としては画期的な写真撮影を生業とする神田写真館の人々。
家長の彦馬(小日向文世)に妻の菊(松金よね子)、長男陽一郎(伊原剛志)、次男金之介(筒井道隆)、それにひとり娘の小豆(酒井美紀)からなる賑やかにして微笑ましい名もなき一家が目撃する激動の幕末期。
写真館だけに、時の有力者たちが相次いで訪問。その顔ぶれも、坂本龍馬、桂小五郎、西郷隆盛、高杉晋作、伊藤博文、近藤勇、つまり、その後の“歴史”を作った錚々たる面々。
幕末を動かした偉人たちが右往左往する全5幕。計3時間半にも及ぶ長編です。
とにかく、三谷らしい軽妙な台詞の応酬とテンポ良い展開が絶妙。
幕末から明治維新を疾風の如く駆け抜けた偉人たちも、三谷の手に掛ると、どれもデフォルメされるだけではなく、極めて人間的なキャラクターと転じます。
その滑稽さと情けなさ、でも、みな愛すべきひとりの人間として描かれているんです。
温水洋一の西郷隆盛、梶原善の桂小五郎なんて、そのキャラ像だけで、笑いがこみ上げてきます。
NHK「新撰組」とはまた違う三谷流幕末ドラマ、大いに笑わされながら、時代の濁流にのみ込まれながら、幕末を生き抜いたのは偉人たちばかりではなく、庶民もまたそれぞれに強く生きていたとの思いを感じさせます。
「それでは、人生で一番愉快だった日の事を思い出して下さい」
「メリー・クリスマシ!」
「左から〜、ひとり置いて、〜」
ご鑑賞された方たちなら思わずニンマリしてしまう事請合いの数々の名セリフと共に、三谷の傑作舞台をどうぞお楽しみ下さい。
(付記)今商品ソフトは、飽くまでDVD−ROM版ですのでお間違えのないように!
DVD版を購入したい方は、PARCO通販にて可能です。
王様のレストラン DVD-BOX La Belle Equipe
十年以上も前に見たというのに、松本幸四郎の「すばらしい!」とか、鈴木京香の「愛人です」などの名台詞や、西村雅彦を追いかけるヒヨコの姿が忘れられず、もう一度見たいと思っていたところ、このDVDを見る機会があり至福を味わいました。
新選組 ! 完全版 第弐集 DVD-BOX
言うまでもなく面白い三谷幸喜作品です。
新撰組ファンの方、またそうでない方も納得する作品だと思います。
この第弐集では新撰組がじょじょに崩壊していき、
香取信吾演じる近藤勇が斬首されるところまで描かれています。
自分は何度も何度も涙腺が緩みました。
熱く、切ない男達の生き様を是非ご覧ください。
新選組 ! 完全版 第壱集 DVD-BOX
ここのレビューで『近藤家の壁に「香取大明神」と掛け軸張ってたり
と結構遊んでました。』とありましたが、一言言わせてください。
天然理心流の系流をさかのぼると、飯篠長威斎の天真正伝新当流に
行き当たります。長威斎という人は下総国の香取郡出身者。香取神宮
に祈願をしながら剣の修行を行い、その神様から兵法の奥義を授かっ
たとされているそうです。
あの『香取大明神』の掛け軸を「NHKふざけすぎ」だとか言う人が
多いですが、検索などで調べればすぐに分かる事です。批判する前に
まず調べて欲しい。大人なんですから。バカにするのはそれからね。
あすなろ白書 DVD-BOX
TV放映時に見てなかったのでDVDでまとめて見ました。原作をお読みになられた方ならご承知と思いますが、あのヘビーな恋愛大河物語のような作品が、どのようにTVドラマ化されたのかとても興味を持っていましたが、上手く脚色し見事にトレンディードラマに仕上げられていると思いました。軽いですが何かほっとします。良いですね。主人公5人の青春時代の屈折した友情と葛藤に焦点を絞ったのが良かったのでしょう。「好き」な人の前に出たときだけ裏腹なことを言ったりすることってありますね。どうしてなのか今でも分かりませんがあの苦しさがよく伝わってきました。恋して泣いたり怒ったり感情を表に出す人がとても眩しく見えました。そういったことを思い出させてくれるドラマです。キムタクが振られ役で登場しますが、これもみどころでしょう。今ならあり得ない配役でしょうから。好感が持てました。恋した時代を思い出したい方にはお勧めです。