野獣死すべし 復讐のメカニック [DVD]
藤岡 弘にはどうしても東映系の『仮面ライダー』や『特捜最前線』のイメージが強いのですが、1970年代前半には東宝特撮、B級アクション映画の一翼を担っていたことも外すことはできません。
本作は仲代達矢主演の『野獣死すべし』を撮った須川栄三監督の手によるものですが、藤岡・須川コンビとしては、1973年の『野獣狩り』以来。音楽も『野獣狩り』と同じ村井邦彦の手によるものです。
本編には、東宝B級アクションの傑作『死ぬにはまだ早い』『白昼の襲撃』を監督した西村潔が俳優として出演、その2作に出演した緑 魔子
、黒沢年男もそれぞれ出演。そして須川監督夫人の真理明美も出演するなど、70年代の東宝B級アクションが好きな人には興味深い一作だと思います。
大藪春彦 野獣BOX [DVD]
傑作の誉れ高い須川版「野獣死すべし」そして東宝ニューアクションを
代表する福田純の野心作「野獣都市」。東宝ならではの怜悧でクールな
ノワール(今風に言えば)。同じ大藪原作でも日活での宍戸錠主演作品
や角川映画でのそれと比べると日本映画として突出して乾いたタッチの
作品群であると判る。とくに映画斜陽の時代にプログラムピクチャーを
量産させられた福田純の作品は今一度再評価されてよい。
ダイナー
カバー装丁につられて購入。
もちろん予想していない内容。
前半で思わずやめようとも思ったけど、
最終的には、ぐいぐいと引き込まれるかのように読了!
登場人物たちの関係がもう少し整理できると
よかったんだけど、室内劇だからしょうがない部分もあるかなと納得。
誰にも感情移入できなかったのは残念。
ダイナーのハンバーガーはホント、美味しそうだったな−!
光媒の花
道尾氏の作品の2冊目として読んだ。短編集で読みやすい。各話の登場人物がつながっており、それぞれ主人公を変えて話を進めている。どこでつながってるのだろう?と考えながら楽しく読めた。特に、性や生々しいシーンの表現に引き込まれる。表現も美しく、「やわらかい恐怖」という表現はなんとなく感覚がわかるようで面白いと思った。
我が家の問題
「家日和」の続編的短編集。
日常の小さな出来事とそれに右往左往する登場人物たちに、
今回も笑わされ、共感し、心が温まった。
特にラストの「妻とマラソン」。
「家日和」の「妻と玄米御飯」の続編になっていて、
時とともに移り変わる夫婦関係の変化が、繊細に描かれていて、よかった!
本城直季さんの写真を用いた装丁が、これまたよい。