恋文の技術 (ポプラ文庫)
連載時に「これは全部まとまってから読もう!」と思っていました。
お待ちしておりました。
前作「美女と竹林」が個人的にイマイチだったため、悩みましたが、買ってよかった。
ニヤリとする場面が数多にちりばめられております。
これまでの作品を全部読んでる方にはさらなるニヤリが待っていることでしょう。
今年はじめにご結婚されたようですし、今年の夏は女性と宵山に行けますね。
よかったですね。
短編小説のように読めます。
短編小説ではありませんが。
舞台「夜は短し歩けよ乙女」 [DVD]
原作に準じた作りはいい。まさか4章全部演じるとは思わなかった。
原作を知っていれば没頭できるだろう。
しかし飽くまで「原作を知っていれば」だ。
そうでなければ荒唐無稽なファンタジー劇になってしまうかも知れないし、無理に舞台化した感も湧いてしまうだろう。
けれども、総じてよくできている。原作を知らずとも楽しめるほどに。
主人公「私」なぞ、明らかにモデルより年かさだが、童貞理想主義者らしくて好感が持てる。登場人物もなべて好ましい。
しかし、
だがしかし、
肝心の「黒髪の乙女」が微妙に黒髪でないのはどうか。
ライトの当たり具合ではやや茶色に映るし、もとより余りにカツラ過ぎる。
あまつさえ、他の役者に較べて明らかにカラ元気でセリフをカラカラと叫ぶばかり。
彼女に演技はまるでない。原作から膨らんだ他者に較べて台本通り。
原作のような天真爛漫な萌え少女ではなく、単なる不思議ちゃんになっている。
それだけが残念だ。
この物語は乙女が主体なので、それが主人公に夢想させるほど魅力的な存在あるいは演技でないと、興醒めしてしまう。なぜ彼は彼女にこれまで夢中になるのか、わからなくなってしまう。
万人の絶対的な存在などありやしないが、
せめて、黒髪の乙女は、少なくとも完全な黒髪であってほしかった。
それは主人公と読者の共有する唯一の要素であったのだから。
そうであればありがちないち劇団員のベタな演技でも許せた筈だ。
だからお話としては面白くとも、評価を下げて星3つだ。
原作を知らない人にはもっともっと面白く見られると思う。
しかし原作を知っていると、
どうかな。
夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
「耳をすませば」とかさわやか青春ものが好きな人なら、絶対この本好きだと思います。
あらすじは、天然でピュアなかわいらしい女子大生(黒髪の乙女)が、
さまざまな楽しげな珍事件に巻き込まれていきます。
そんな彼女に一目ぼれした「先輩」は、なんとか彼女の眼に止まろうと、この珍事件のなか奔走します。
硬派である「先輩」が彼女のために、必死になって走り回る姿はとても面白く、微笑ましいです。
しかし、彼の努力は彼女の天然ぶりの前では幾度となく、偶然とみなされ、打ち砕かれます。
彼の想いは彼女にとどくのか!?
といったお話。
ストーリーは、この「黒髪の乙女」と「先輩」が交互に語り手となって進んでいきます。
文体が本当にかわいらしく、また登場人物ひとりひとりが実に魅力的なのです!!
かわいらしいと連呼していますが、男性にもおススメです。
なにせ、私は男の先輩からこの本を薦められて読んだのですから。
表紙はASIAN KUNG-FU GENERATION のCDのジャケットを務めていることで有名な中村佑介さん。
本作品は、山本周五郎賞を受賞し、また本屋大賞2位にも選ばれています。
四畳半神話大系 (角川文庫)
大学時代の友人にすすめられて読んだ。
僕自身、京都で学生生活を送り、
今は就職して京都を離れている為、
個人的なノスタルジーによるところが大きい気もするが、
これは、面白い本ですよ。
四畳半神話大系 第1巻 [DVD]
主人公は京都大学の3回生の男子学生だが
これまで過ごした2年間をひどく後悔しており、
それもこれも最初に選んだサークルがそもそもの間違いだったのだということで
1話ごとに別のサークルを選んだ場合の経過を描いていく。
独特のタッチの絵と早口で独白する主人公が妙に魅力的で
30分という短い時間ながら濃い楽しさを感じられる。
毎回、舞台となるサークルやその中での出来事はリセットされるが
主要な登場人物の名前や性格は共通しており、ともに個性的。
「何が面白いのか」と聞かれても答えに困るアニメだが、
確かになにかが面白いのである。