コミック 銭 1巻 (Beam comix)
レビュー評価が高くて読みました。まず最初に主人公が死に掛けて、幽体離脱したその魂に向かって「君はライプニッツ方式と新ホフマン方式のどっちがいい?」と命の値段をたずねてくる女の子の場面から始まるんだが、それって聞く相手が違うんじゃない?といきなり突っ込みを入れたくなる。これから死ぬ人間にはお金なんかどうだっていいし、死ななければライプニッツも新ホフマンも関係ない。死ぬような経験をしたときに思ったことは、死ぬときには全てをこの世に置いてあの世に行かなければいけないということだ。この章で「命の値段」をテーマにしたいということはわかるが、最初の設定に無理を感じた。
幽体離脱した主人公と幽霊?の女の子が業界を回ってお金の話をするのだが、この本では「漫画雑誌の値段」「アニメの値段」「コンビニの値段」を扱う。「漫画雑誌の値段」を読むと電子書籍の一般化はやはり漫画の方が先に来るように思った。しかしこの漫画って読みやすい?
限界集落温泉 2巻 (ビームコミックス)
経営の傾いた温泉宿の再起を題材にした
本作品も2巻目になりました。
後半では新しい登場人物が今後の展開を
期待させます。
物語の中のお金にまつわる展開は同著者の
「銭」に通じるものがあります。
「銭」を楽しめた方にもオススメします。
コミック 銭 1巻 (Beam comix)
限界集落温泉(3) (ビームコミックス)
1,2巻は次々と登場人物が現れ、ストーリーの展開も変化が激しい内容だったと、個人的に思います。
しかし、この3巻は登場人物はそれなりに出尽くし、物語も激しく変化を伴って変化していく、というよりは深度を深めていくようなストーリーの進行になっているような感じがしました。
それが、1,2巻にはなかった面白さとして感じられましたし、4巻以降の展開への期待も高まりました。
あと、中願寺有希というキャラの内に秘められた禍々しさに魅かれました。
じっくり読める巻になっていて、いいと思います。
僕と日本が震えた日 (リュウコミックス)
作者の身の回りで起こった事象や、仕事(出版)関係、社会見学よりちょっと突っ込んだルポが描かれています。けっこうたってからの被災地の状況や、ガイガーカウンターのことなど、ちょっと知りたかった内容に触れてくれるので、ためになりました。
官邸批判、原子力ムラ批判、脱原発、反原発、というような特定の主張を押し付けてこない作風なので、読後も違和感がなくスッキリしています。おすすめ。
マンガ 化学式に強くなる (ブルーバックス)
高校生用の化学の教科書を、第一章だけ抜き出して、詳しく・やさしく・丁寧に書きあげたような本です。
入門書と呼ばれる化学の本はたくさんありますが、そのほとんどは化学の概観をつかんでもらおうという意図で書かれていて説明が浅いため、読み進むにつれどんどん理解できなくなってくることがままあります。その点、本書は、最も基本的で重要な元素とモルのことに絞って書かれていて、教科書の導入部分が一冊の本になったという感じです。教科書で20ページほどで扱っているところを、263ページのマンガで解説しているのですから、単純に計算してその分かりやすさは約13倍!(ほんとうかー?) 最初の150ページほどを割いて、元素と化学式の基礎を教えてくれます(とにかく丁寧で深い!)。そして残りで、モルについて説明しています。
マンガで描かれた科学の解説物は多いのですが、マンガが解説をより分かりやすくしてくれていて、しかもスラスラ読めるようにしてくれている稀な本だと思います。私は、通勤の3時間で読みました。化学が分からないまま社会人になってしまった方にお勧めです。