東京ナイトメア 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社文庫)
読後すっきり
容姿端麗・頭脳明晰・傍若無人な完全無欠の悪女、薬師寺涼子の部下である
泉田純一郎を視点に一人称で語られる痛快怪奇小説。
わがまま放題の上司に悩まされる部下の心理描写には思わず共感してしまいたくなる。
涼子とは正反対の性格でライバル関係にある室町由紀子や、その部下の岸本といった
脇役のキャラ配置もバランスがとれていて面白さに拍車をかけている。
堅苦しい考えは抜きに読める一冊。
ただし、文章の節々にオヤジ臭さを感じてしまうのは私だけでしょうか(汗)
魔天楼~薬師寺涼子の怪奇事件簿
田中芳樹さん原作のお涼シリーズ、第2弾のドラマCDですが。
やはり前作よりはよかったですね。
相変わらず、ポンポンポンと会話のやりとりが激しくて、それについていくのは大変かも。
でもテンポの良さもこの作品の特徴かもしれません。
今回はボーナストラックもあったのがまたよかったですね。
この作品は、原作を読んだ人、これから読む人にお勧めです。
考えごとしながら聴いてると・・・聞き逃してしまうので気を付けて(^-^)
「薬師寺」 / 堂本剛 通常盤 [DVD]
薬師寺LIVE2009、これはファンでなくとも是非手に取っていただきたい1枚です。
特に初回版にはLIVECDが入っており、雅楽師の東儀さんの奏でる笙や篳篥の音と堂本剛の歌声とのコラボレーションは格別です。
また、初回には今回の映像の編集作業のドキュメントも収録されているのですが、
実はこの時最愛の母親が怪我で手術を受けていて入院中だったのが辛かったということですが、編集作業は彼らしく妥協せず細部にまでこだわって行われています。
通常版では、奈良でのふわっとした映像が満載で彼の多面的な魅力を感じることが出来ます。
本編のLIVEDVDは、彼のボーカルの安定力と声の厚みを感じることができます。
マイクの使い方の上手さにも感心させられます。
こだわり抜いた映像は彼の思惑通り、音楽だけではなく奈良の空気が伝わってきて
奈良の風景と合わせての堂本剛の音楽の完成度を確認できます。
木に学べ―法隆寺・薬師寺の美 (小学館文庫)
法隆寺の宮大工であり、伝統木造建築を熟知する棟梁が語り尽くす建築論。これを通しての人間論でもある。建築論と人間論との接続に妙味があり、そこが人々を惹きつけている理由だろう。短絡との批判もありそうだが、それはそれ、滋味あふれる貴重な経験談として傾聴に価する。
棟梁が語るのであるから当然、木材や木工事についての話に力点がある。私見だが法隆寺での感動を想い起こすと、それは建築物の細部だけではなく、伽藍全体の構成美や空間印象によるところも大きいと思う。これに関しては和辻哲郎著『古寺巡礼』(岩波文庫)や最近、建築家により書かれた『法隆寺の謎を解く』(武澤秀一著、ちくま書房)が格好の手引きになると思われる。