オリジナル・サウンドトラック「ボーン・アイデンティティー」
ボーン・アイデンティティーが意外と良かったので、サントラをつい買ってしまいました。
映画を見たときには、音楽があまりにも一体化していて、あまり記憶に残っていなかったのですが。
あらためてサントラを聞いたら、逆にシーンが思い浮かんで来たのでびっくり。
かなり気に入って、繰り返し聞いてます。
ボーン・アルティメイタム [DVD]
一作目のボーン・アイデンティティはまったく印象に残らなかったので、
封切時のテレビで本作の迫力満点のメイキングシーンを見てもあまり期待はしていなかった
のですが・・・。
ひとことで言って「すごく真面目な作品」でした。
そのいちばんの理由は、非常にリアリティのあるアクションです。
とかくこの手のアクションものってのは、現実味とか辻褄を無視して派手にしがちですよね。
意味も無くドッカンドッカン爆発してあたり一面火の海にしたり、
ヘリだ潜水艦だと無駄に大掛かりな仕掛けを駆使して驚かそうとしたり、
重力関係なしに自由自在にピョンピョン宙を舞ったり・・・。
ところが、この作品にはそんなこけおどしのチープなアクションは皆無です。
(ジャンルを問わずCGまみれ、ワイヤーまみれの昨今の映画の中にあって、
それらを極力排した“生”の迫力も賞賛に値します。実は使ってるんだったら、それはそれで
その自然に見せる技術に感服しちゃいますが・笑)
かといってただ地味で退屈なわけでもちろんなく、思わず身をのりだすような
スリルに満ちているのですが、ひとつひとつにしっかりと必然性があり、
しかも抑制された演出が効いているので、我々一般人が実際に見聞できないことでは
あっても「おおっ、そうだよな。プロはきっとこんなかんじでやるんだろうな〜」と
思わせるリアリティがそこかしこに光ります。
(例えば立体駐車場のシーンで敵に囲まれての逃げ方。弾を除けるため床に伏しての
運転。安手の映画だったらそんな姿勢でも魔法のように車を操り、
巧みに敵をかいくぐって颯爽と脱出!となるとこでしょうが、この作品では
フェンスに激突し階下に落下して、逆さになってつぶれた車から這い出る・・という、
少々かっこわるくも、しかしきわめて理にかなった現実味のある逃げ方を見せてくれます)
さらにアクションだけでなく、徒に感情を表さないマットデイモンのストイックさ
滲む演技や、彼に共鳴し支援する女性たちの心情の描き方なども含め、全体が実に
いちいち納得のいく内容であり、淡々としたハードボイルドな空気や“大人らしさ”に満ちている
ところが素晴らしかったです。ハリウッドもいいかげん子供むけのこけおどし
づくしはやめて、これからはこういう大人の鑑賞にも堪えるアクション映画を真面目に
作っていってほしいと思います。ほんとに!
ボーン・アイデンティティー 【ブルーレイ&DVDセット 2500円】 [Blu-ray]
マット・デイモン主演のスパイ・アクション。本作でマット・デイモンの新たな魅力が引き出された。記憶を失くした主人公が自分の記憶を少しずつ取り戻していく様をサスペンス・タッチで描き、見ていて飽きさせない。
画質・音質は共に、これぞBlu-rayと呼べるほど最高の出来。特にカーチェイスシーンにおけるDTS-HDMA音声は最高。
特典も原作者のロバート・ラドラムの半生のドキュメンタリーが収録されており、ドキュメンタリー好きの僕にとっては、この点もお勧め。
以下はUK版のスペック。
THE BOURNE IDENTITY (2009/3/30)
Version: UK (Universal)
VC-1 BD-50
Running time: approx 1 hr 59 mins
Sound: DTS-HD Master Audio 5.1 (English), DTS 5.1 (French, Italian, German, Spanish, Japanese)
Subtitle: English SDH, French, Italian, German, Spanish, Japanese, Danish, Dutch, Finish, Korean, Norwegian, Portuguese, Swedish, Traditional Mandarin
Special Features: Feature Commentary with Director Doug Liman/The Ludlum Identity/The Ludlum Supremacy/The Ludlum Ultimatum/Alternate Opening and Alternate Ending/Deleted Scenes/Extended Farmhouse Scenes/The Birth of The Bourne Identity/The Bourne Mastermind: Robert Ludlum/Access Granted: An Interview with Screenwriter Tony Gilroy/From Identity to Supremacy: Jason & Marie/The Bourne Diagnosis/Cloak and Dagger: Covert Ops/Inside a Fight Sequence/Moby "Extreme Ways" Music Video/U-CONTROL (PICTURE IN PICTURE/BD-LIVE: BOURNE CARD STRATEGY CHALLENGE)
[825 973 0]
オリジナル・サウンドトラック「ボーン・スプレマシー」
前作のテイストを残しつつ、重厚さを増したサントラ。
カーチェイスのシーンで流れる「Bim Bam Smash」の派手さも去ることながら、
サスペンス部分の曲も徐々に盛り上げていく形をとり、退屈なものには仕上がっていない。
サスペンスアクションのサントラとしては文句なしです。
Mobyの「Extreme Ways」が収録されているのも大きい。
2作目でこれなのだからアルティメイタムはどうなるんだろう。
今から楽しみで仕方ない。
ボーン・アイデンティティー 【プレミアム・ベスト・コレクション】 [DVD]
・「三枚目」とは言わずとも「二枚目半」的なマット・デイモンが演ったからこそ、リアリティー、インパクトを感じる映画になったのではないでしょうか? 多分「二枚目俳優」が演じていたなら「ありきたり」の映画になっていたのかも… (「二枚目は正しい」「二枚目は勝って当然」みたいな概念、ありますよね…)
・シリーズ全編「相手の裏をかく」行動が小気味よい!! 先の先を読む頭脳と、いざ! というときに発揮される肉弾戦が最高です!!
・このシリーズ、リバイバルで劇場公開されたら絶対観に行きたい!! スクリーンで堪能したい!!