バージナルサアヤ紗綾写真集 (サブラDVDムック)
概ね、他の方々のレビューや感想が的を射ていると思います。
個人的には正面やバックからの全身立ちショットが好きなので、
その手のページがある本作品は大きくダメ出しするほどでもありません。
ただし、水着のサイズ(布面積)やデザインなど、そろそろエロさを
強めていってもいいのではないでしょうか。さらに広くファン層の拡大が
期待出来ますよ。
あくまで「紗綾は健康美少女路線!」というプロダクションの売り出し戦術や
このカメラマンの力量なら大きなブレイクも無いまま失敗するでしょうね。
パンッと張った肉感的な太ももや豊かな胸。もっと魅力的なショットが
掲載できたでしょうに。何で最近の写真集って、雑誌グラビアよりも
劣ったショットばかり並べて高額で売るのか…?
エリザベス朝のヴァージナル音楽名曲選
グールドの音楽の魅力のひとつは、彼の「共時性(フラットな感覚)」にある。
通常の演奏者は、まず歴史性の中に入っていくので、こういった曲はバッハよりも100年も昔のエリザベス調の曲で・・
と始まり、結局そんな場所に収まっていくが、グールドの場合は、それがいつの時代の作品か
ということは問題ではなくなり、自分の精神と神経と指をどのように刺激してくるかどうかで判断される。
その結果、選ばれた楽曲は、彼がもっている資質の中で磨き上げられ、現代の作品として甦る。
ここに収められた曲は、雰囲気としては、ゴールドベルクの最初のアリアに近い。
一日の時間帯では夕暮れ、季節の中では秋。絵画で言ったらミレーあたりか。
音楽が自意識を持ち始める以前の素朴な楽曲。
そこではグールドのピアニズムそのものが浮き彫りになり、それだけが鳴り響くような演奏になっていく。
時々、これはキース・ジャレットのソロ・ピアノのパッセージかと思うような瞬間すらある。
全体としてひっそりとしたアルバムだが、それだけにグールドのディスコグラフィの中でも味わい深い1枚。
このCDのラストには、他の「バード&ギボンズ作品集」にはない曲が収録されている。
冒頭の数小節は”クラシックの「ケルン・コンサート」か”というような世界。
夕暮れの雲間から差す光の筋を見た時のような気分にさせてくれる。
ヴァージナル
これを買ったのは今から25年前の1986年、私は中学校3年、当時はLPである。
ナンノファンで風のマドリガルを買った直後に出ると聞いてすかさず予約した。
透明感のある、多感な頃の感性までも遠くに連れて行かれるような、完成度の高い曲が歌い上げられている。
非常に完成度の高い、素晴らしいアルバムで私は当時カセットにおとして陶然と何度も聴き続けたものである。
我らがナンノはその後一躍アイドル界の階段を駆け上り、続々とヒットを出し続けた。
私もはいからさんが通るや、話しかけたかった、吐息でネットなどを買い続けた。まさに輝けるアイドルだった。
今の茶色い裾の汚れた劣化した低レベルのグループとは違う(と今でも思っている)。
その後私は違うジャンルの音楽に興味が移っていったが、しかし、ナンノさんの曲を聴くとあの当時と鼓動を共にするような気持ちになる。自分に当時刻み込まれた感覚、感情がはっきりと蘇ってくる。このアルバムにはその力がある。
あれから25年。日本も大きく変わった。バブルは弾け、社会通念や道徳規範は相対化し、90年代からは行き過ぎた自由で規律のない世界に耐えられない人の心が漂流を始め、世相が変わり始めた。足るを知るという社会から、もっともっと便利なものを、を際限なく追い始めた。何でも手に入るかのような錯覚が人の心を貧しくした。派遣労働者の人口は急激に増え、所得格差は拡大、二極化するまでになった。そして今なおそれは続いている。
日本人の失った心、人間の心にまだ表と翳があった最後の時代に、その思いを可憐に綴るこの曲をもう一度買って聞いてみた。
今聞いても色あせないどころか、ますます胸に響く神曲揃いであった。