Close to the Edge
アナログ版から数えて、本作を買い換えるのは4回目。
1994年度のリマスター版もかなりいい音だったので、これ以上の改善は無理かと思いつつも、今回(2003年度)リマスターを聴いて驚き。
音のクリアー感と広がり感が増し、イエスの演奏のすごさがさらに強烈になった。
Close to the edgeのイントロの水の音、Siberianの出だしのギターの音を聞けば、いかにこのリマスター版の音がいいかが実感できます。
イエス・ファンで長年聞き込んでいる方も、今回のは買い替え必須です。
SIBERIA
SHERBETSのアルバムの中で1番好きです。よい意味で、冷たく、お伽話のような詩の世界です。音的にはPUNK、GARAGEなどの質感をかんじます。
中古屋などで、結構やすく見かけるので、みつけたら是非買うべきだとおもいます。
シベリアン・ドリーム〈上〉
スーパーモデルの自伝ということで様々なメディアで取り上げられたが、そのへんのタレント本とは訳が違う。
自分はソ連崩壊時のレーニンの銅像を民衆が倒す映像を子供の頃TVで見ていた記憶があった。
崩壊までの共産主義の下で抑圧された一般の人々の生活がどんなものか想像しえなかったが、10代の少女なら誰でも興味のあるファッションさえも厳しく咎められる中、著者は果敢に自分の意思を最後まで貫き通す。
その堅い意思はやがてソ連の反体制の思想を持ち、小さな村から国を出て世界へと飛び立っていく。
若い女性にぜひとも読んで欲しい本。
ほんの少し日本から離れた場所で同世代の女性が必死で勇敢に生きていたということを知ってほしい。
文章も洗練されており、時間を忘れてどんどん引き込まれてしまう。
凍土の牙 (文春文庫)
初めて読んだロビン・ホワイトの作品です。なかなか読み応えがあり、楽しませてもらいました。前半の背景や人物描写がシベリヤの寒く重苦しい雰囲気を醸し出し、さらに重厚さを加えており、それが後半の静から動へのチェンジオブペースで緊迫感を鮮やかにしています。次作はもっと良い作品との評判から思わずアマゾンを検索してしましたが、未刊のようで残念です。好きなタイプの新しい作家に出会うのはこの上ない喜びで、自作が待ち遠しい限りです。
HISTORIA★SIBERIANA
4曲目までは間然するところがありません。
シベリア横断鉄道に乗せられ、眼を閉じて伸びやかに奏でられる歌に包まれると、あっと言う間に未知の場所へ。
前作までに見られた諧謔心はナリを潜めています。
中でも白眉は、「世界の果てへ連れ去られ」。
言葉少なに、涙がこぼれるのをグッとこらえるような、感傷的な美しさをたたえています。
『Asiatic Spy』所収「ボクの村は戦場だった」以来の名曲です。