純情期
シンプルでストレートな物語です。うれしくて無意味に疾走したり、はずかしくて頭から布団をかぶって出られなかったり…誰にも身に覚えがある、こんなことあんなことが書かれています。
おバカな妄想少年に、せつなく情けなく共感して下さい。少しくすぐったい感の読後も、いちごレモンのキャンディーのように爽やかです。
頑張れ 生乾きの青春!
彼岸の奴隷 (角川文庫)
曰く、【鬼畜系ノワール】。
小川勝己を、そしてこの作品を表すのに
こんなにピッタリな言葉はそうはないでしょう。
泥沼の中にズブズブとはまり込んでいく…
その沼には、底どころか救いとなる一条の光さえもありえない。
足掻けば、足掻くほど深みにハマル底なし沼。
そして、精神は…常識は…正義は…ゆっくりと壊れていく。
エロ、グロ、狂気、暴力などの苦手な方は読まぬが得策。
現実世界で巻き込まれるくらいなら死んだほうがましとさえ
思うけれど、この壊れた世界に耽溺することは、
非常に背徳的な楽しみを伴います。
金田一耕助に捧ぐ九つの狂想曲
金田一耕助を敬う人たちが、
金田一耕助について書いている。
一人だけだったら、
もっと奇抜なことをした人がいるかもしれないが、
多人数で書いたものをまとめるため、
奇抜な事をしていないのがやや残念です。
それなりにそれぞれの個性はでているが、
金田一耕助のまわりに集まって来て、
個性が薄くなったのかもしれない。
赤川次郎の作品は、金田一耕助とその孫が登場し、
金田一耕助の息子を偽証する2人が登場する。
手は混んでいるが、だからどうだというところが、赤川次郎らしくあっさりしている。