座頭市(デジタルリマスター版) [DVD]
本作『座頭市』は、勝新太郎が作り上げた〈座頭市〉シリーズの最終作にして、到達点でもある傑作である。
1973年、第25作『新座頭市物語・笠間の血祭り』の後、座頭市は映画からテレビへと活躍の場を移した。そしてテレビシリーズ計100話を経て、1989年、第26作として製作されたのがこの作品である。満を持しての映画作品であるだけに勝は、監督・製作・脚本・主演の一人四役をこなし、本作に全力で打ち込んでいる。この作品を皮切りとして新たな続篇の構想もあったとのことだが、勝新太郎の麻薬所持事件で企画は立ち消えになってしまったそうだ。撮影中に起きた殺陣師殺傷事件などのスキャンダルによって、本作が質に見合った正当な評価をされていないこととも併せて、悔やまれてならない。
見どころは、あらゆる面で年齢を重ね、円熟の境地に達した〈座頭市〉というキャラクターそのものであろう。市の人格の深みも、凄まじいスピードでの居合斬りも、全てが頂点である。過去の作品でお馴染みのモチーフも繰り返される。いかさま博打、夜道での襲撃、「見当つけて斬ってきな」、悪徳やくざとの戦い、互いに心を通じた侍との決闘など、まさに決定版が目指されている。ラスト15分で展開される、宿場全体を血に染める大殺陣も、シリーズ最大の規模と迫力とを有している。
あえて英語詞の、ジョー山中によるブルース調の主題歌や、勝自身による三味線のBGMなど、音楽も絶妙。
映像感覚は鋭敏だがドラマ性を活かせず、ともすれば話の筋さえ理解しにくくしてしまう、監督・勝新太郎のスタンスに対してなど、批判もあるかと思う。しかし、〈座頭市/勝新太郎〉という唯一無二の関係を考えるならば、本作は確実に、彼らの到達点に他なるまい。
たかじんnoばぁ~ DVD-BOX THEガォーLEGEND (3枚組)
たかじんnoばぁ〜といえば、「ガオー」に象徴される下ネタのイメージしかもたない人もいるだろうが、それは偏見に過ぎない。
僕は放送当時のファンだったので、一方的な見方しか出来ていないかもしれないが、これは、お酒を通じて芸能人の素顔が引き出されている番組であり、当時だからしか出来ない番組でしょう。
いまや“一流”とまで言われている俳優・現知事も、かつてはバカやってたって思うし、この番組に出てた人は、いまスターになっているんだ…って思うし。
懐かしくもあり、いまだから新鮮に感じたり。涙あり笑いあり。
作らない、飾らない一本です。
エニウェア
フラワーズからフラワートラベリンバンドになった一枚目。裸のメンバーがバイクにまたがる象徴的なジャケットです。篠山紀信撮影です。そんなところが70年代って才能が集まっちゃうんだな、なんてことを考えさせられたのでした。
音のほうは日本のロックを切り開いていく先駆者の心意気に溢れています。洋楽のカバーが多いのは当然、模倣から入ったからでしょう。仕方の無いことです。その中でも、BLACK SABBATHのカバーは本家本元よりも重くそしてDOOMな出来です。オリジナルのルイジアナブルースにしても混沌とした音楽世界を音に叩きつけている姿勢が何よりも素晴らしいのです。石間のギターもこれからの萌芽を予感させる音色を醸し出しています。
ここから日本のロックは始まったといっても過言でありません。
そして彼らは2枚目「SATORI」で世界に匹敵するモンスターを作り上げるのです。
RE:ROCK~Legend of Super Rockers~Vol.1
内田裕也の【恋の大穴】【コミック雑誌なんかいらない】は[ロックンロール放送局]からの2曲で、JOEの【I WANNA SEE YOU】【I ONLY WANT YOU SAY GOODBYE】はファーストアルバム[JOE]からの選曲。これだけでも「買い」ですが、この2枚のアルバムは絶対CD化してほしいですね。ちなみにロックンロール放送局は89年にCD化。でも77年の再発LP盤のジャケでした。
CHALLENGE!(紙ジャケット仕様)
内田裕也さんが率いた、フラワーズ唯一のスタジオ・アルバムにシングル曲などを追加した内容。
このアルバムを出したいが為、嫌々レコーディングさせられたというシングル曲(本CDで唯一オミットされている「ファンタジックガール」は、麻生レミの艶かしくも几帳面な歌いっぷりが素晴らしい歌謡G.S.の佳曲なので収録して欲しかったのだが...)とアルバムの楽曲(洋楽のカバー)とのギャップが痛快であります。
ジャニス・ジョプリンのカバーなどでは、麻生レミの真骨頂を味わえます。
パンチが効いていてセクシー、尚且つ繊細でキュートでもある麻生の歌声は本当に素晴らしい!!