まほろ駅前多田便利軒 スタンダード・エディション [DVD]
原作は番外編まで読みました。やっぱり2時間に凝縮するのは難しく、大分大雑把な印象を受けました。しかし、主役の2人はイメージとも合っており、特に松田龍平は飄々とした行天らしさが出ていて良い味出てました。
アヒルと鴨のコインロッカー [DVD]
役者陣には文句はないです。瑛太は、演技の幅を証明し、濱田岳は、存在自体がマンガちっくで、狂言回しな役回りがぴったりでした。物語を大きく動かす存在として、関めぐみは、美人で、ハッキリした性格ながら人間性の良さが合っていた。また、登場場面はあまり多くないですが、松田龍平のたたずまい、存在感が何とも言ず良かった。ということで、ちょっとだけ、大塚寧々の目の下のたるみが気になりましたが。(笑)
本作の妙味は、一言で言えば、物語の前半部分が、後半部分を裏切る形で進むトリッキーな面白さ、全体像がだんだんとに明らかになる巧みな作劇にあります。
前半は椎名くん(濱田岳)が巻き込まれるオフビートな喜劇的な作劇で、中盤以降は河崎とブータン青年と琴美(関めぐみ)をめぐる、哀しき悲劇モードへとシフトされてゆきます。
前半部分で見せていなかったミッシングピースを、後半部分ではめていく事によって、全体像とその印象がまるで変わってくる。終わってみれば、とても心に残る、面白いプロットだなあと、感心しきりなのだけれど。前半部分が、謎を残しつつ進むので、どうもパッとしないという印象なのは事実で、私も少々「かったるい」のを我慢しながら観ました。
でも、大丈夫、どんどん面白くなりますから!! 一体、本屋を襲撃する事と、過去に起こったペット殺し事件がどのように繋がっていくか?時間軸の交錯を利用しつつも、河崎が吐く意味深な言葉。そして冒頭のショットの意図する所。全くの傍観者だと思われた椎名くんもまた、物語の中心軸に引っ張り込まれ、思わぬ形でこの物語に手を添えて行く...。
バーにかかってきた電話 (ハヤカワ文庫JA)
一作目、「探偵はバーにいる」に続いての読みました。
正直、「俺」のキャラ設定が共感できないというか理解できず
すんなり入ってこなかったのですが、やっぱり札幌、すすきのが
舞台のせいか、札幌市民としてこの2作目も読みました!
何が面白いって、ストーリーと、その進み方は読みやすいというか
理解しやすく、気になって気になって一気に読み切りました。
今回は最高傑作の呼び声たかいだけあって、すすきの裏社会の入り
組んだ様相が絡み合い、ストーリーにも厚みがましていました。
ただ、やっぱり「俺」に共感できない。。
弱いんだか強いんだか、ヤクザでもないしチンピラでもない。
ただプライドは高そうだな。。
私は、「俺」の心が一番わかりませんでした。
でも、そこは流して、是非三作目も読んでみようと思います。
JT ルーツ アロマブラックボトル缶 300g×24本
JT ルーツブランドの缶コーヒーです。無糖でブラックです。コーヒー本来の旨味が楽しめます。決して、苦くはありません。キャップ式のアルミ缶です。ブラックコ―ヒーの中では、美味しい方にランクされると思います。
まほろ駅前多田便利軒 プレミアム・エディション(2枚組) [Blu-ray]
過剰なセリフや説明的な映像を排しつつ、映像からダイナミズムが伝わってくる。カットとカット、セリフとセリフの絶妙な『間』。それぞれの心情を観客に想像させてくれる。会話が絡みそうで絡んでいない空気感。それでいて、何故か、絶妙な関係を見せる二人。
根幹となるテーマは、『過去と真正面に向き合い、そして前へ進むことへの難しさ』ということか。二人の主人公である、多田啓介と行天春彦、それぞれの悲しき過去を背負い、生きていること。けど、その生き様は、何処と無く、魂が抜けたかの様に感じ、不幸な出来事を境に時間が止まっている様に感じる二人。
様々な出来事と、それに絡むセリフ。
『誰かに必要とされるってことは、誰かの希望になるってことでしょ』
『おまえの親が、おまえの望む形で愛してくれることはないと思う。だけど、自 分には与えられなかったものを、新しく誰かに与えることはできるんだ』
『フランダースの犬の有名な最終回の内容は幸福なのか?不幸なのか?』
ラスト近く、多田と行天は互いに悲しい過去と向き合うことになります。過去と決別して、前へ進んだのか?進んでいないのか? 結局、数ミリしか進んでいないのかも。でもいいのだ、1ミリでも、過去と決別し、前へ進んでいるのだから。
本作は、瑛太と松田龍平主演とは言え地味な印象が強く、意識的スピード感に欠ける演出をしていて、たるく、ゆるいムードが映画全体を覆います。オトナの感性の映画であり、少々玄人タッチの映画で、そんなに、ヒットはしないかもしれない。実際、月曜日のレイトショー前の回で観たのですが、私たち夫婦ふたりきりの貸切上映でした。嬉しいやら悲しいやら。(苦笑)
しかし、オトナというものは、彼らほどではないにせよ誰も、悲しい過去を背負って生きているもの。その過去と向き合うか、或いは避けて生きているもの...。多くの(特に30・40代の)大人に観て欲しい。