散歩しながらうたう唄―森雅之第二作品集
比較的初期の作品群なので若干画風の異なるところもあるが、その叙情性豊かな独自のストーリー性はこの頃も現在も少しも変わるところがない。いずれも読後にさわやかさを残す作品で駄作はない。
人はなぜ争うの? (平和と戦争の絵本 1)
これまで平和教育というと、戦争の悲惨さを伝えるための、祈る平和でした。みんな戦争は嫌いなのに、それでも戦争は起きてしまう。「戦争反対!」と叫ぶことも大事ですが、それだけでは戦争はなくなりません。戦争が起きてしまう原因、戦争をなくすためには、どんな能力や知恵、技術が必要なのか。「平和学」ともいえる、そんな問に真正面からわかりやすく答えているはじめての本ではないでしょうか。
自分の身を省みずに敵であるイスラエルの子どもを助けたパレスチナの男性、9'11で愛する人を失った遺族の、暴力の連鎖を止めたことの願い…心と頭の両方に訴える説得力のある一冊です。
この本をできるだけ多くの大人と5、6年生以上の青少年に読んで欲しいと思います。戦争はかなたのことではありません。争いとその解決は、子どもたちの教室、私たち大人の身の回りにもたくさん転がっています。ライフスタイルや立場の違う者同士が、断絶することなく、互いに理解・尊重し合い、ひとつの願いを完成するためにはどうすればいいか。そんな身近な積み重ねが、国際理解や平和教育につながっていくのではなぜでしょうか。反省させられることしきりです。
恵みのとき―病気になったら
彼のお母さんは、長年ガンに苦しみ、
看病にあたる彼も、とてもつらそうでした。
愛する人が苦しんでいるのに、何もできずもどかしい日々。
そんな時、この本の存在を知り、彼に贈りました。
病気はつらい、だから我慢したりしないで、
大声で泣いて、愛する人を呼んで、
ぎゅっと抱きしめてもらいなさい。
そんな温かいメッセージが伝わってきました。
病気で苦しんでいる人も、日夜看病にあたる人も、
愛する人に「泣いていいよ」と抱きしめてもらえたら、
どんなにこころが軽くなるでしょう。
まもなくして、お母さんは他界しましたが、
愛にあふれたこの本を読む度、彼のお母さんを想います。
ピアノソロ エンヤセレクテッドソングス (ピアノ・ソロ)
エンヤの曲は、彼女自身の声をオーバーダビング(しかも数え切れないほどに)して作られているので、それをひとつの楽器用にスコアを書くというのははっきり言って不可能なことです。しかし、彼女の曲は非常に美しいので、聴くだけにとどまらず、自分自身でも演奏してみたいと思うものです。
この楽譜は、「セレクテッド」されたものですから、すべての曲は入っていませんし、もしかしたら望みの曲はないという人もいるかもしれません。それでも、編曲され方はかなりよいほうだと思います。いかに原曲を再現できるかに楽譜はかかっていますから、きっと満足できると思いますよ。
雨月物語 [DVD]
日本古来の怪談ものとしてあまりにも有名な小説の映画化、380円という安価に喜んで購入をしたのですが、パッケージの定価は1800円と表示されていました。不景気で劇的にプライスダウンをしたのですね。嬉しいけれど日本の底なしの不景気が怖いです。1953年公開作品、出演している女優の田中絹代さんは当時、44歳、若い頃はとても綺麗な女優さんでしたが30代半ばを過ぎると急激に美貌が損なわれ、演技派への転身を果たすまでは本当に苦労をした女優さんです、47年、48年と続けて最優秀演技賞を獲得、この映画でも子供をだっこし、おんぶし駆け出すなどその自然な動きが素晴らしいと思いました。女幽霊を演じたのは女優の京マチ子さん、大映入社4年目、当時、29歳、他にも羅生門や地獄門と名作に続けて出演、ふっくらとした切れ長の目が美しい女優さんでしたね。この映画、セットも実に豪華でとても良い仕上がりになっていました。