マンガ偉人伝 チェ・ゲバラ (知恵の森文庫)
たいていこの手の本は、漫画家の技量が驚くほど低く、内容もどうしようもないものが多いが、この『マンガ偉人伝 チェ・ゲバラ』は違う。絵は素晴らしいし、構成からも意気込みを感じられる。チェ・ゲバラやカストロ---彼らが何を信じ、何のために戦ってきたのかという思い、そして喜び、悲しみが伝わってくる。
キューバ危機に関する認識が変わった。
読後、目を腫らしている自分に気づいて驚いた。久々に良い本に出会えた。
革命戦士ゲバラ! [DVD]
単純にソダーバーグ2部作と比較するのはあまりにも酷であろう。こちらはあまり時間も金もかかってない。職業監督のフライシャーがそつなく予算内にまとめ上げたような印象だ。フライシャーの手腕は「仕事」としは一級であし、シャリフのゲバラもパランスのカストロもそれなりにハマってはいる。
ただ、ゲバラの半生を描くにしては時間が短すぎる。ゲバラが好きなひとにとっては全く食い足りないし、最終的にゲバラに否定的なところも不評を買うだろう。
あまりにもまっすぐに理想を追い求めた結果、共産圏側からも浮いた存在となり、孤立無援の中最期の闘いをせざるを得なかったゲバラの無念さをもう少し掘り下げて描いて欲しかった気もするが、娯楽映画とすれば平均以上の出来栄えだ。