オーパ、オーパ!! モンゴル・中国篇 スリランカ篇 (集英社文庫)
本書はイトウと宝石である。モンゴルでイトウを釣り、中国で謎の大魚に挑戦し、スリランカで宝石に見とれる。スリランカでは釣りはしない。
モンゴルの人たちは釣りをしないらしい。魚を食べることすら稀だという。たぶんチベット仏教の影響だと思うのだが、どうしてなのだろうか。ともかく、おかげで魚はたくさんいるし、すれてもいない。
ところが、本書のテーマは「釣れないこと」にある。第一回目の釣行は失敗するし、中国でも釣果ゼロに終わる。でも、面白い。むしろ、釣れないところが面白い。開高健にとって、獲物が見事に釣れることは重要ではないらしい。釣れないからこそ名文が生まれる。
スリランカで宝石が簡単に見つけられてしまうことには驚かされる。また、その美しさにも。
アルビノーニ:アダージョ
なんでしょう。だと思います。個人的にはオーソドックスというイメージがありカラヤンをあまり聴いたことはないのですが、これがドイツ的というのでしょうか、ゆっくりながらも骨組みはしっかり建てられている気がします。ゆっくりであるがため、内声もそれなりに識別でき、まあ音楽しているなあ、と思える演奏です。バッハもパッヘルベルも秀演といってよいと思います。でもヴィヴァルディの出来が一番いいのかな。まあ買ってみて損はないでしょう。ちなみに私はなぜかジャケットの絵に惹かれて購入しました。
開高健~河は眠らない~ [DVD]
今年で小説家の開高健さんが亡くなって20年になる。それを記念して文芸春秋から写真集「河は眠らない」が発売された。
そのベースになったのが同名のビデオで、同じ釣りマニアの写真家・青柳陽一さんが口説いて実現した初のムービーだった。
VHS時代が終わり、液晶テレビ購入を機にビデオレコーダーとテープも処分してしまったが、写真集の発売に合わせて書かれたスポーツ紙の特集記事を読んで、DVD化されているのを知り、アマゾンで検索して買ったのである。
「河は眠らない」も開高さんの著書の一つだが、アラスカで巨大なキングサーモンを釣る映像は釣り師なら誰でも夢見るストーリーだ。
昔から釣り方などを明かすハウツービデオは多数あったが、この作品はそれらとは一線を画す開高イズムにあふれた名作である。
入手できるとは思わなかっただけに、開高さんには失礼かもしれないが旧知の友に再会できたような気持ちにさせてくれた。
空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む
自身の探検に関する記述は本文の半分程度。
残り半分は秘境の歴史的背景についての説明。
本当に残念なのは、写真が圧倒的に少なく臨場感が無い事。
幻と言われた滝についても3cm×3cm程度の写真が2枚あるのみ。
過去二人のカヌーイストの犠牲者が出た激流についても
それを感じさせる写真は無し。
モノクロでも良いので本文中にも豊富に写真を入れ
臨場感をより感じさせて欲しかった。
大人の文房具【文豪たちに愛された傑作文房具&書斎グッズ】 (100%ムックシリーズ)
物語のある「書斎&仕事」グッズたちは、作家の道具、万人の万年筆入門等文房具に関する内容で統一されたMOOKです。巻頭は、夢枕さんの作家の相棒と題するエッセイです。パソコン時代ですが、夢枕さんは、今や数少なくなった万年筆を使用する手書きの名手です。万年筆と紙が構築する手書きの原稿には、言葉以上の魂がこもっているそうです。そして、万年筆は、昔モンブランを使用していたそうですが、良くなくすので今は、セーラーに替えているそうです。
次いで作家の道具。漱石は、オノト(英国)の万年筆を使用していたそうです。現在は、生産されていませんが、デザインを模した製品が、丸善から販売されています。三島さん、開高さんは、モンブランを使用されていたそうです。吉川さんは、パイロット、向田さんは、ウォターマン、武者小路さんは、パーカー、井伏さんは、ペリカン・・等いずれも銘品を使用されています。そして、その万年筆入門です。万年筆の仕組、インクの吸入方法、万年筆のの選択法、どこで購入するか・・そして、5250円以下、10500円以下、31500円以下、52500円以下、52501円以上の5クラスに分類し、代表的な製品を紹介しています。そして、やはり最高峰は、モンブラン・マイスター・シュテック149でしょう(私もこれを所有していますが、勿体なくて使用していません)。
次に、なぎらさんの文房具散歩です。正統派として丸善日本橋店、万年筆専門店としてフルハルター、オーダーメイドで話題のカキモリの3店が紹介されています。次いで、ヘミングウェイ愛用のモレスキン(手帳)、そして、その使用法、最新製品のカタログが掲載されています。
次に、原稿用紙、そして、持丸さん、赤枝さんを始め各界のプロフェッショナル総勢10人の愛用文具とその拘りが披露されています。そして、最新の実用文具50傑が紹介されています。
やや万年筆重視のきらいがありますが、総てカラー写真で紹介され、文房具好きには堪らないMOOKになっています。興味のある方は、是非とも御一読を!!