できそこないの男たち (光文社新書)
相変わらず面白い。
生物学をこのようにスタートさせたら、興味の持ちようも大分違うだろう。比喩が大仰で多少くど過ぎるきらいもあるが、最近の福岡氏は科学者というより小説家といってもいいので目をつぶろう。
人間の飽くなき好奇心、名も無き生物学者達の連綿と続く地道な探求が、切れのいい文体で綴られる。そこには同業者に向ける温かい愛情も混じる。
なぜ性が決定されるか。性決定遺伝子を見つけ出すまでの行き詰る研究合戦。白衣の紳士達も鬼気迫る戦士となる。
そして本題。従来の生物教科書に改定を求めたい箇所である。受精卵は男と女にどのように分かれていくか。女が基本仕様で、男はそこにいささかの変更を施したものであるという。福岡氏はその変更を不細工と呼ぶが、男と女、どちらが高等かという論議などばかばかしいほど生命の神秘、精緻さに感嘆する。
最後のエピソードは不要であったろう。しかし、象牙の塔のイメージから、生臭い世俗にまみれなければ立ち行かない科学界の一面をうかがい知ることができよう。凋落した科学者へ向ける福岡氏のまなざしも決して冷ややかなものではない。
ゾウの時間ネズミの時間 ~歌う生物学~
小二の娘の教科書に本川氏の文章が載っていたのがきっかけで購入しました。ジョークCDを装ってはいますが内容は大真面目で,手軽に現代生物学の表層を概観できます。歌によっては説明的になりすぎて興をそがれるものもありますが,伝えたいことの高度さを考えると致し方ないところでしょうか。馬鹿になりきって自ら歌う本川教授に学問と教育への情熱を感じ,個人的には大好きな作品ですが,音楽的な完成度と万人向きでないところを考慮して星4つとしました。
視覚でとらえるフォトサイエンス生物図録 改訂版
この図録を見ると、説明自体は簡潔なんだけど、
図がすごく充実してて頭に視覚的に入ってくる感じです。
参考書ではぴんと来なかった説明も、図で見るとわかることが多い。
T2ファージとかも、前まで、絵としてみることが多くて、
ほんとにこんな形のバクテリオファージってありえるのかな。。
変すぎ。。と思ってたけどこれには本物の写真が載っていてすっと理解できた。
生物はどちらかというと苦手科目だったんですが、
高校のときに読んでればよかったなーって思いました。
そのとき、この図録は生まれてなかったんですが、、^^;
Molecular Biology of the Cell
私がはじめて買った洋書のテキストです。もちろん、最初は読むだけで大変でした。でも、すべて読む必要はないのではないかな?大切なところだけ読んでいけば、たくさんのイラストが助けてくれます。CDROMもついているのでそれで理解はさらに深まるはず!継続は力なり。この本なら最初の洋書テキストにぴったりです。