おかしな監督映画祭~OKACINEMA 10min WORLD~ [DVD]
今年で6回目を迎えた、「おかしな監督映画祭」から、過去の傑作10本を
集めたDVDが発売された。
内容は、ラブストーリー、アクション、SF、バイオレンスなどバラエティに富んでいて
10本それぞれが、自主映画とは思えないクオリティの高さと
一般劇場映画では観られない、アイディアやストーリー展開など
充分楽しめる作品でした。
それもそのはずで、監督やスタッフ、キャストにはプロで活躍している人も多く
プロが、楽しんで遊んで作ったというのがとても感じられました。
主演女優4人も、皆さん個性的で、きれいな女優さん揃いなので、
女優さんを観るだけでもお買い得だと思います。
7/12には、早くも第7回の「おかしな監督映画祭」が開催されるようなので、
楽しみにしています。
おかしな監督映画祭公式HP
http://plaza.rakuten.co.jp/choukawasaki/
ちなみに、特典映像として監督インタビューがあるのですが、
私としては、女優インタビューやコメンタリーの方がいいと思いました。
ベスト・オブ・ベスト/日本の名歌
歌っているのは、一流のオペラや歌曲の歌い手で、いずれも端正な歌いぶりである。クラシックの好きな人向きかもしれない。
私がこの歌集を買う気になったのは、斉藤佳三の「ふるさとの」が、入っていたからである。母が、生前、この歌を台所でよく口ずさんでいたのを懐かしく思っていたが、改めて聴いてみて、胸が熱くなった。信時潔の「沙羅」が入っているのもうれしい。「海ゆかば」 (私は名曲だと思うが) のせいか、彼の歌をめったに聞く機会がないのを残念に思っている。
「カチューシャの唄」や「ゴンドラの唄」は、出だししか知らなかったが、今回、全曲を聴くことができた。何度も聴きたいとは思わないが、当時の人のものの感じ方に触れることができたような気がして、興味深かった。
復刻伊勢貞丈「包結記」(全2巻)
折形(おりかた)を知る上で、現存する古い書物を調べていて、伊勢貞丈「包結図説」にたどり着きました。しかし、万葉仮名が読めません。そこで救いの手を差し伸べてくれたのが、この復刻、現代語版です。古典と現代語版とを並べて読み進んでいくと折形の奥の深さをより一層知ることができました。ただ紙を折るのではなく、きちんと伝統を知ることができてますます折形が楽しくなりました。
これでいいのだ。―赤塚不二夫対談集
赤塚氏の作品の題名は「これでいいのだ」が多い。それについては、それでいいのか?と思うが、本書には大満足だった。対談は主に1999年に行われている。北野武、タモリ、ダニエル・カール、立川談志、柳美里、松本人志、荒木経惟。荒木の撮るバカボンパパ、チャップリンに扮した赤塚氏の写真もあり、大変お買い得な一冊だ。
赤塚氏とタモリの対談は、お互いにリラックスした雰囲気だ。「ジャズからロッパ」の部分はちょっとしたコメディアン論を赤塚氏が話すのが面白い。自由奔放に振舞うお昼の顔タモリが、赤塚氏のわがままに振り回される部分もあり、一番好きな対談だった。
自分なりの考えを懸命に表現しようとする柳の堅さが、対談中にほぐれていく様子が伺える。ダニエル・カールに対しては愚痴を言い、談志との充実した話の面白さ!その最中に赤塚氏はしばしうたた寝する場面あり。北野武とは映画からテレビの話へ行き、たけしよりも毒を吐く赤塚氏にたけしが大笑いするところが好きだ。荒木とは対談しながらの写真撮影。赤塚氏のマンガ入門を見て漫画家を目指したことのある松本人志との顔あわせは貴重だ。唯一、古くから赤塚氏との交流を持たないのが松本。(もちろんダニエルもいるがそれは横においておく)松本の意外な一面が出てきて対談は終わる。
赤塚氏の子どものような無邪気さに踊らされてしまうゲストの一面が見える対談集である。赤塚氏のファン以外の方にも是非読んで欲しいと思う。
赤塚不二夫対談集 これでいいのだ。 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
この対談は、1999年頃に行われたものです。
赤塚氏が食道癌の手術を行って、声が出せないような時期があったそうです。
その頃対談の企画があって、奥様が、「赤塚らしいものを」と要望したそうです。
トキワ荘の仲間達、手塚、石森、藤子Fが揃ったように60歳で亡くなりました。
赤塚氏は当時63歳。死を十分に意識した上での対談と思われます。
このため7人の対談相手は凄いメンバーになりました。
そして、対談者も、これが最後かも、という気持ちで引き受けたのではないかと推測しました。
途中で、話が支えたり、寝ちゃったりもあったようです。赤塚氏の体調は最低だったと思うのですが、みんなが、赤塚氏への敬意で対談を支えます。
読後としては、対談の内容はタモリ、北野武、松本人志、立川談志、荒木経惟とダニエル・カール、柳美里
で雰囲気が異なっています。
先の5人は良く知っている、または、笑いをやってきた人で、赤塚不二夫の作品群へのリスペクトがあり、尚且つ、赤塚氏が相手を尊敬している印象です。
ダニエル・カール氏は赤塚氏のリクエストで、アメリカ人でありながら山形弁を駆使して日本で生活していることに興味があったのだそうですが、赤塚氏の思いが上手く言葉に表せなくていらいらしている感じを受けました。
柳美里さんは、赤塚漫画の分析をしようと試み、これも上手く噛み合いません。
それでもこの7人との会話を通して、赤塚氏が当時何を考えていたのか、判ってきます。
赤塚漫画が与えた影響の大きさを感じられる対談でした。