告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
登場人物が語るという形式で書かれているのが良かった。
目線が変わるだけで同じ事柄が
こうも違って見えるのかと驚かされます。
設定も中学生と大人というのがまた良かった。
もしこれが高校生や大学生であったら、
本書はもう少しつまらなくなっていたと思う。
また、監督が全員が嘘をついてないと信じているのかと
言ったところにはっとさせられた。
非現実的な内容だけど、
中身は人間性を如実に表していますね。
この作品は面白いです。
ただ、後味は良くないですね。
天地明察
『マルドゥック・スクランブル』とかで有名なSF作家の冲方丁の初の時代小説。直木賞候補にまでなった。
その評価に違わず、とっても面白い、時代小説だった。しかもよくある戦国武将の話や江戸の庶民の暮らしの話とかではなく、改暦という歴史上の出来事と日本における算術、天文学の発展とをひとりの碁の棋士を主人公に描いている。
主人公である渋川春海という男の成長物語とも読めるし、それを中心に描かれていて、そこに面白さもあるんだけど、私としては、改暦という大プロジェクト自体が、春海というプロジェクトリーダの元、いろいろな失敗を重ねながら、関孝和を始めとする支援者の協力も得て、実現していくというところに興味を持った。自分自身がプロジェクトに携わることも多いので、こういったプロジェクトモノ好きなんだよね。著者の達者な表現力で泣けるプロジェクト小説になっていると思う。時代小説ということよりもそちらに感心した。
後半の駆け足の展開にはちょっと不マッもあるけど、もう、とにかく改暦というテーマに目をつけた時点で勝ちだろう。冲方丁のファンもそうでない人も楽しめる物語だ。
謎解きはディナーのあとで
えーと、図書館で借りて読みました。
まさしく大正解でした。
最近の萌を反映したような設定。文章。
面白かったです。
面白かったですがこれはキャラ萌小説の類だと思われます。
執事とお嬢様のキャラ小説も悪くないと思いますが、読み返す気にはならないです。
読み返したくなるような内容は無かったと思います。
ささっと立ち読みか図書館で借りるので十分かと。
正直この本が本屋大賞を受賞したのなら、本屋大賞はかなりレベルが低いのでしょうね;
ふがいない僕は空を見た
登場人物がころころ変わる連作短編集。特殊な性癖をもったマイノリティが出てきたりする小説。タイトルから受ける印象は実に清々しい青春小説を思わせるが、そんな読者の頬をひっぱたくように性描写が思いのほか過激なので、御手に取られた方はお気を付けください。
一つ一つ品評していては長いので二つだけ。
・ミクマリ
大江健三郎の「セブンティーン」を意識したような文体で「俺」という一人称が淀みなく続いていくのだが、「セブンティーン」とは違いその独白は思春期特有のモラトリアムに満ちた鬱々としたものではなく、どこか空虚で、何も考えてないのかどこかバカっぽいのである(そこであまりのっていけなかったのだが)日々の営み(アニオタ不倫妻とのセックス)で快楽を貪り、同級生に心が傾くと、その不倫妻を捨てちゃう。でもなんだかんだあってまた寄りを戻しちゃって、結局不倫妻に捨てられるという話。
このなんだかんだの部分に、重要な意味が込められているのだとすれば、あくまで僕個人の解釈です(主人公はそれまでアニオタ不倫妻をダッチワイフぐらいの認識しかしていなかったんだけど、その不倫妻が赤ん坊用の靴下をじっと見ていて、それまで性具(言葉は悪いが)としてしか見ていなかった不倫妻を一人の「母親」だと認識し直すことで、不倫妻への恋が芽生えてしまったんだよね。主人公は、恋愛の対象に「母性」というエディプスコンプレックス的な要素を求めていた。それは母親の分娩仕事を今まで見てきて、人が生まれるってどういうことなんだろうって実感がわかず、ゆえに「生」への実感もわかず、とにかく「性」へと倒錯し、お手盛りの満足感を得ていたんだけど、初めて「母性」を発見することによって、「生」への実感が湧いてくる)
要約するとそういう解釈ができるけど、少しわかりにくいので最初は戸惑う。あと冒頭で、セックスライフの道を大きく外れたとか言っておきながら、不倫妻とやりまくっているという展開は、俺を含め(童貞喪男集団)から金剛力士のごとく怒りをかうことになるから気を付けたがいい。
・世界を覆フ蜘蛛の糸
今度はうってかわってその不倫妻の話。幼少期からいじめられ、アニオタとしてアイデンティを確立させながら、大学生活をすごし、ふとしたきっかけで出会った男と結婚し、順風満帆かに見えたが、その旦那が粘着質の冬彦さんキャラで、しかもその母親がまた絵に描いたような野沢陽子でっていう話(野沢陽子は悪い人じゃないけど)
「子供を産め、産め」と迫ってくる義母に対し、子供が産めない体質の主人公は追い詰められる。まぁ正直、話としてはありがちだし、オチの気持ち悪いだけだが、主人公の絶妙の頭のゆるさ加減は秀逸。ただそこがリアルなのに反し、一人称で自分の好きなアニメをただ「アニメ」という単語で言ったり(本当のオタクなら、ちゃんと固有名詞で言います!)しかも、そのアニメが「魔法少女マジカル・リリカ」と恥ずかしくなるほどぬるいアニメなのは、著者が「アニオタってこんな感じでしょ」っと頭で考えているのが見え透いて、ほんの少しだけ腹が立った。マイノリティを扱うテーマの小説が、マイノリティを上辺だけしか理解していないってどういうこっちゃ!? もう少しアニオタという生態を研究してください!(俺もそんなに知らないが…)
残りの品表はブログにアップします。
黄金を抱いて翔べ (新潮文庫)
大好きなチャンミンが映画に出演すると知り、
映画の原作本を読んでみたくて購入しました。
読む本と言えば、いつも恋愛系やエッセイなど
で、ミステリーは初めてだったのですが、読んでる
うちに、続きはどうなるの〜とドキドキしながら読み
ました(笑)
ぜひ、読んでみてください!