きまぐれロボット (角川文庫)
'64(S39)11〜'66(S41)3
新しい童話(みんなの童話)の表題で、
朝日新聞・日曜版に発表。
A.名作プレゼント『気まぐれロボット』
'66(S41)7 理論社
31編全てに、和田誠さんの挿し絵入りで単行本化。
星新一さん本人も単行本化された時は、
その豪華さが凄く嬉しかったと仰ってます。
B.『きまぐれロボット』文庫本(36編)
'72(S47)1.5 角川文庫
5編を増強、36編。
同じ和田誠さんですが、
簡略化した挿し絵に差し替え文庫化。
(挿し絵入りは20編のみ)
そしてAの復刻版が、
C.新・名作の愛蔵版『きまぐれロボット』(31編)
'99(H11)6 理論社
全ての漢字にルビが付ってあり、
挿し絵も'66年のオリジナル。
D.『きまぐれロボット』新書版(31編)
'05(H17)6 フォア文庫 理論社
Cと同内容。
'66年のAの単行本化の際に尽力された、
今江祥智さんの解説が、新書版のみプラスされています。
現在発売中の角川文庫版は、
'06(H18)1.25 の改版にあたり、
表紙カバー・デザインのみ、片山若子さんに変更されています。
(挿し絵は和田誠さんのまま)
星新一さんの作品に挿し絵を提供された方で、
真鍋博さんと、この和田誠さんが主なお二方ですが、
児童向きの作品にマッチしているのは、
和田誠さんでしょう。
このお二方の挿し絵は、
星作品の一部と言っても過言ではありません。
この『きまぐれロボット』
『ボッコちゃん』と並び、
数ある星新一さんの短編集で最も発行部数が多く、
十二分に星新一さんの世界を満喫出来ます。
多少、幼年の読者を意識した執筆で、
本当は、☆3つ半くらいの評価かな???とも思いましたが、
…やはり素晴らしいですね。
他のショート・ショート集とは一線を画する、
星新一さん唯一の“童話集”です。
全編挿し絵入りよりも、
5編増強の36編収録版を求める方は角川文庫を。
(アマゾンの目次では、31編と成っていますが、
角川版は36編収録されていますので、ご安心を)
今江祥智さんの解説がプラスされた新書版(31編)を求める方はこの本を。
児童へのプレゼントには、
文庫版増強5編を含んだ
同じく新・名作の愛蔵版
『へんな怪獣』と併せて、
新・名作の愛蔵版(ハードカバー)
『きまぐれロボット』(31編)を。
星新一さんの作品を愛読すれば、
きっと、賢くて心の優しい子に育ちますよ。
小さな物語のつくり方
星新一さんの後継者、江坂遊さんによる本です。
ショートショートのつくり方について、語り口調でおもしろおかしく書かれています。
ショートショートの核となるキーワード(アイデア)を生み出すための具体的方法や、
そこから物語に発展させていく方法など、創作の秘密が惜しげもなく披露されています。
また、江坂氏の新作ショートショートが創作例として使用されており、非常に説得力があります。
(もちろん、氏の作品を純粋に楽しむこともできます。)
各章の終わりには課題が出され、解き進めることで実力がついていく構成となっています。
よくある、具体性にとぼしい小説作法や、書けるような気になっただけで収穫のない本とは違い、とても内容の濃い本だと思います。
読みかえすたびに発見があり、勉強になります。
ちなみに私も、恥ずかしながら本書を片手にさっそく作品づくりに取り組んでみています。
最後に、この本はショートショートを書こうと思っている人に限らず、
アイデアを生み出すことに関わるあらゆる人にとって発想のヒントとなる本だと感じました。
ぜひ、お手にとってみてください。
星新一 ショートショート 1 [DVD]
原作を読んだことのない人でも楽しめると思います。また、読んだことのある人なら納得できると思いますよ。
ショートショートというくらいですから、一話がとっても短いですが、後から、ジワジワとくる作品です。
星新一の摩訶不思議な世界へ・・・どうぞ
【参考まで】
1. 「ボッコちゃん」 (新潮文庫・ボッコちゃん)
2. 「宣伝の時代」 (新潮文庫・だれかさんの悪夢)
3. 「窓」(ドラマ/出演:猫背椿) (新潮文庫、ハヤカワ文庫・宇宙のあいさつ)
4. 「ゆきとどいた生活」(新潮文庫・ボッコちゃん)(ハヤカワ文庫・悪魔のいる天国)
5. 「紙幣」 (講談社文庫、新潮文庫・盗賊会社)
6. 「殺し屋ですのよ」(ドラマ/出演:市川実和子)(新潮文庫・ボッコちゃん)
7. 「調査」 (悪魔のいる天国)
8. 「おーいでてこーい」 (新潮文庫・ボッコちゃん)
9. 「生活維持省」 (新潮文庫・ボッコちゃん)
10. 「宇宙の男たち」(ドラマ/出演:鈴木慶一)(新潮文庫、ハヤカワ文庫・宇宙のあいさつ)