アンダルシアの犬【淀川長治解説映像付き】 [DVD]
映画監督ルイスブニュエルと画家サルバドールダリの共作による
シュールレアリズム短編映画で
上の写真の眼球を切り裂かれるシーンが超有名
ストーリーはあってないようなもので予想外の展開がなかなか面白い
映画史の中でも美術史の中でも歴史に残る重要作品で
映像系の学校ではまずコレか「カリガリ博士」を授業で見せる場合が多いんじゃないかと・・・
手の穴から蟻がいっぱい出てくるとか
かなりダリの世界が入っているのでブニュエルファンだけでなくダリファンの人にもオススメですね
このDVDの特徴としてオープニングに淀川長治氏の解説が入ってるのですが
本編以上におどろおどろしく語る姿がとってもキュートです
ちなみに
画質はかなり昔のフィルムだからか
そんなによくないです
アンダルシアの犬 [DVD]
ジャケットにはシュールリアリズムとかシュールレアリズムとか書いてあったと思いますが、表記が統一されていないのと、どちらも間違いだと思います。シュルはフランス語なので英語のリアリズムと一緒にするとおかしいです。シュルレアリスムと表記しなくてはいけないのではないでしょうか。
通常の物語がたいてい回収されるのに対し、シュルレアリスムは物語を回収しないことで隠された無意識を垣間見ようという、ある意味大変理論的な(頭でっかちな)手法だと理解していますが、この作品はあんまり頭でっかちになっていなくて、見ていて凄く面白いですね。
冒頭の女の目を切る場面など、スプラッター映画の原点ともいえます。グロテスクな場面の連続はつながっていないようでつながっていて、ただイメージを並べているだけじゃなくて、ちゃんとイメージが広がって映画を前へ前へと進めています。
女の脇毛がなくなって、男の顔に生える、とかいうアンマリなお笑い場面もあったりして、楽しめます。ダリやブニュエルの茶目っ気も伺えました。古い映画なので映像は劣悪ですが、今見ても非常に面白いです。15分の短さなので、物語がなくても全然飽きませんし。
15分の短編なのにこれまでのDVDは結構高かったのですが、安いWHDジャパン版が出たのは大変に喜ばしいことです。
銀河 [DVD]
1968年のフランス・イタリア映画。
二人の男を軸にしたロードムービー。
そこに登場するのは黒いマントの男、聖母マリア、キリスト、精神病の司祭、死の天使、娼婦マリア・・などなど。
2011年6月に再発売された後期ブニュエルの代表作です。
ブニュエルの名前を知らない人でも1928年の短篇「アンダルシアの犬」を知っている人は多いのではないでしょうか。
ビスタサイズ・カラー。
3Dでもないし、迫力あるサラウンドもないですが、
2011年に観ても魅力ある映画のひとつです。
死神の谷 [DVD]
本来「死滅の谷」と云われている本作をわざわざタイトルを変えた事については賛否両論ありそうですが、
ドイツ語「Der Mude Tod(疲れた死神)」を英語で「The Weary Death」と訳し、
それを日本の公開会社が誤って、(当時はフィルムを見る前にタイトルを決めなければならず、仕方なかったのだが…)
Deathを"死"あるいは"死滅"と訳した為にこのタイトルがついたと云われている。
その為、今回の「死神の谷」はむしろ本来のタイトルだといえる。
それにしても、すばらしい映像美、そして誰もが納得できるよく練られたストーリー、
完璧な映画とはこの事だと思います。
若かりしラングの最高傑作にして、もっとも待ち望んだ映画です。
これが日本で、しかもこの価格で観れる事は奇跡としか言いようがありません。
また、今までのWHDのDVDとは比べ物にならない美しい画質に納得。
1980円はお得な買い物と謂わざるおえません。
よく落語「死神」の元ネタといわれていますが、それはネット情報の間違いで実際はグリム童話「死神の名付け親」が原作です。
CINEMA 16:EUROPEAN SHORT FILMS [DVD]
ブニュエルとダリの「アンダルシアの犬」、ゴダールの「男の子の名前はみんなパトリックっていうの」、シュヴァンクマイエルの「ジャバウォッキー」、ラース・フォン・トリアーの映画学校卒業時作品「NOCTURNE」、「リトル・ダンサー」のスティーヴン・ダルドリーの監督デビュー作「Eight」など、ヨーロッパのショート・フィルム16編を収録したオムニバスDVD。作品は面白い物が多く、大満足の1枚なのですが、監督や評論家などによる音声コメンタリーに、日本語字幕がついていないのが残念だったので、星ひとつだけ差し引きました。収録内容は以下です。
1. Juan Solanas (France) "L'Homme Sans Tete" ("The Man Without A Head")
2. Tom & Charles Guard(UK)"Inside Out"
3. Jean-Luc Godard (France)"Charlotte et Veronique, ou Tous les garcons S'appellent Patrick"
4. Peter Mullan (Scotland)"Fridge"
5. Christopher Nolan(UK)"Doodlebug"
6. Jan Svankmajer(UK)"Jabberwocky"
7. Chris Morris (UK)"My Wrongs #8245-8249 & 117"
8. Anders Thomas Jensen (Denmark)"Valgaften (Election Night)"
9. Lars Von Trier (Denmark)"Nocturne"
10. Lynne Ramsay(UK)"Gasman"
11. Stephen Daldry(UK)"Eight"
12. Asif Kapadia(UK)"The Sheep Thief"
13. Toby Macdonald(UK)"Je T’aime John Wayne"
14. Peter Naylor, Carl Hunter(UK)"Unloveable"
15. Mathieu Kassovitz(FR)"Fierrot Le Pou"
16. Luis Bunuel and Salvador Dali(FRA)"Un Chien Andalou"
"L’Homme Sans Tete" は、作品も監督も、はじめて知ったのですが、これがすごくいい作品で、収録作品の中でも特に気に入りました。頭の無い男が、好意を寄せる女性とのデートの為に、頭を買いに行き・・・という、ファンタジックなお話で、映像は、美しく印象的で、目を奪われるもので、ストーリーも良く出来ており、監督の非凡な才気を感じます。2003年のカンヌ映画祭のジュエリー賞やフランスのセザール賞など、数多くの賞を取った作品だそうです。
狂気をユーモラスに描いている、Chris Morris の"My Wrongs #8245-8249 & 117" も、気に入った一本。英国アカデミー賞受賞作品だそうです。