ヴァルトビューネ2003 ガーシュイン・ナイト 小澤征爾 [DVD]
視聴した範囲ですが、夏のwaldbuhneの野外コンサートのなかでは、一番の盛り上がり。
最初の1曲“An American in Paris”こそ緊張の面持ちなのですが、2曲目からは共演となるMarcus Roberts Trioとベルリンフィルとを巧みに橋渡し。全身に情緒が溢れ出ていて、いかにも小澤らしい音楽をつくりあげています。
観客たちも2曲目“Rhapsody in Blue”の完成度に堪らず、もう立ち上がってしまい拍手喝采。こんなRhapsody in Blueは聴いたことがない!といった観客たちの面持ちが窺えます。
後半となる3曲目は“Concert in F”。これもまたRobertsの編曲。第1楽章からそのRobertsのソロパートが光ります。ほんとうに彼は見えていないのだろうか?と思うくらいの運指の軽やかさ。日没とともに吹く風にのせて、第2楽章へ。そして再び脈動する旋律に心打たれる第3楽章。もう総立ちなのです。
惜しみない拍手がおくられるなか、残りの4曲はRoberts Trioとベルリンフィルと交互に2曲ずつのアンコール。“I Got Rhythm”で小澤が見せる茶目っ気にも注目。
最後はお馴染みの“ベルリンの風”なのですが、その最初の旋律が聴こえた瞬間に会場から漏れる(もう終わりなの??という)溜息の大きさにも、この一夜の素晴らしさが顕われていると思います。シンフォニックジャズを堪能できる1枚。
ちなみに同じタイトルのEuro Artsの輸入版は2000円台であります(2009年)。
君主論 (岩波文庫)
文字が大きく、ひとつの章が数ページと短いので、読みやすい。
(19章が20ページ弱で少し長いくらい。)
また、まえがきにマキアヴェッリの時代と生涯、「君主論」そのものについてのおおまかな説明があり、章の終わりにも簡単な解説がつけられている。非常に親切だと思う。
君主権の種類について、
被征服地の種類について、
君主権の獲得のしかたについて、
軍隊の種類について、
君主のあり方について、
イタリアの君主の今までとこれからについて、
全26章で語られる。
古代ギリシャ・ローマの英雄、皇帝や、マキアヴェッリの時代の人物、エピソードを交えつつ論じられているので、歴史小説という読み方もできるように思う。
また、マキアヴェッリの辛らつで容赦ない人間観は、とても潔く爽快で、エッセイとしてとらえてもおもしろい。
歴史に残る近代政治学の古典、とか言うと、かたく難しくとっつきにくい印象を持つが、政治学に興味はなくても、読み応えのある著作だと思う。
レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア
決してクラシックに詳しいわけではありません。
だから、あまり、「この演奏は〜」て話はできないのですが、
とても良いCDだと思います。
まず曲が良い。
有名な第3組曲目当てで買ったのですが、第1、第2もとても良かった。
上品な1、ディズニーみたいに可愛らしい2、静謐さと激しさをもった3。
どれも個性があって素敵です。(レスピーギの成長の記録かもしれない)
演奏も品があって、でも出すとこは出してて満足。
千円でこんな楽しめるCDが買えるなら、損はないでしょう。
とくに、バロックとかその辺の音楽が好きな人には気に入っていただけると思います。