3大テノール 世紀の競演
1990年7月7日土曜日、ローマ、テルメ・ディ・カラカラにて録音。この三人、二人までは揃ったことがたびたびあったが、三人はここまでなかなか集まらなかった。この時はサッカー・ワールドカップの前夜祭にあたっていて、それがこの奇蹟の競演を産んだようだ。
この時の席は全部で6,000席用意されたがたった10分で完売。未だ『東側』が存在したこの時にもかかわらず、『東側』を含めた54カ国で放送され、8億人の人がこの競演を愉しんだと言われている。
演奏はお互いがお互いを尊敬し合うかのように進む。メータの指揮も冴えていて、最後へいけば行くほど熱を帯びる。特にフィナーレ・メドレーがスタートするバーンスタインの『ウェストサイド物語』の『マリア』から後は文句のつけようがない完成度だ。聴かねば話にならないアルバムでしょう。
West Side Story
レナード・バーンスタインが生み出した最高の音楽がこの『ウエスト・サイド物語』であるのは、万人の認めるところです。アメリカ人として最高の指揮者であり、偉大な作曲家が残した最大の功績は、ジャズとクラシックとポップスを融合し、人種差別をテーマにした不朽のミュージカルを残したということでしょう。
アメリカの闇に光を与え、彼の音楽とジェローム・ロビンズの踊りで生き生きと浮かび上がらせた映画は後世に残るステキな功績でしょう。サウンド・トラックを聞いているだけで映像が浮かんできます。
ユダヤ系アメリカ人のバーンスタインでなければ為し得なかった作品でした。プエルトリコ移民と、白人だけれどもイタリア移民(オリジナルはポーランド移民)の子孫との対立という人種の坩堝と呼ばれるアメリカ・ニューヨークのダウンタウンでの1950年代を生き生きと描いています。ロバート・ワイズ監督・製作のこの作品はアカデミーで全11部門を取りました。
「Tonight」「Maria」「America」「Cool」「I Feel Pretty」「Somewhere」など愛してもやまない名曲揃いです。作曲家の力量の高さは質の違った音楽を的確にシーンごとに使い分け、音楽だけで登場人物の心情を明確に描き分けたことに表れています。
決闘前では様々なナンバーが入り乱れ、対位法的な手法を使いながら登場人物の心情を吐露させる音楽の質の高さこそバーンスタインの真骨頂でしょう。
若者の鬱屈した心情、閉塞感は現代日本にも通じるものがあります。だからこそ今、振りかえって眺める必要があります。
哀しいエンディングを描きながら、通奏低音として流れているのは愛の大切さで、込められている熱意は普遍性を持って輝いています。
ウエスト・サイド物語 (コレクターズ・エディション) [DVD]
高校生の頃名画座で観た内の1本の映画です。当時は中学から吹奏楽をしていた関係で、ミュージカル映画がとても好きでサウンドオブサイレンスとか色々なミュージカル映画を観た中であの決闘シーンがとても鮮烈なイメージとして今でもハッキリと脳裏に焼き付いています。そこで今回DVDとして出品されていた商品を購入いたしました。
バーンスタイン:ウェスト・サイド・ストーリー
言わずと知れたミュージカルのオリジナルスコアによる演奏。
指揮は作曲者バーンスタイン。
TonightやMariaなど歌はもちろんのこと、台詞裏で流れるBGM、オーケストラだけによる曲、一部の効果音(決闘シーンのサイレン、フィナーレの銃撃音)も全て入っています。
さて、問題の演奏です。オーケストラはバーンスタインが集めたプレーヤーだけあって、文句の付け所はありません。難点は配役にベテラン超有名オペラ歌手を起用したこと。このため、歌謡がオペラ調で上品すぎる嫌いがあります。歌手はミュージカルのアクターあるいはクラシックでも若手の元気どころを使用して欲しかったと思います。なにしろ、ジーンズ履いた若者の間にタキシードスーツでびしっときめた大人が入ったような感じで、違和感があるのです。
それでも、作曲者自身の解釈を知る上ではこれ以上のものはないと思います。ウェストサイドストーリーには、いろいろなレコーディングCDが発売されていますが、全曲録音されているのはこのCDだけです。
ウェストサイドストーリーを全部聞きたい。バーンスタインの音楽を知りたいという人にはお勧めのCDです。なお、このCDのメイキングを記録したDVDもでています。《ウエスト・サイド・ストーリー》メイキング・オブ・レコーディング [DVD]
ウエスト・サイド物語 製作50周年記念版ブルーレイ・コレクターズBOX (5,000セット数量限定生産) [Blu-ray]
50年前、中学2年の時、70mmの大スクリーンで観ました、作品の評は素晴らしいの一言、
このブルーレイは、まるで新作、、以上の、画像美、高音質、60インチのTVと自慢のオーディオで
楽しんで観ました。