和田の130キロ台はなぜ打ちにくいか (講談社現代新書)
表題の"和田のストレートが打ちにくい理由"について、きわめて明確な解答が示されています。
今まで、ストレートの価値というのはスピードで大方決まってしまうものだと思っていたのですが、本書を読んでそれが大きな間違いであることに気付かされました。
技術論だけでなく、和田投手の生い立ちも詳細に描かれていて、全ての野球ファンにとって楽しめ、また納得できる一冊だといえると思います。
外国人雇用マニュアル (「小さな会社」シリーズ)
10年近く外国人採用の仕事に携わってきました。
入管法改正もあって購入しましたが、大変分かりやすく心強い一冊です。
他のレビューアーの方も書かれていますが、税金や社会保険の説明に加え、採用や人事管理上の留意点などにも触れられており、これ一冊でポイントは網羅できると思います。
あとは、申請書記入例をもう少し掲載してもらいたいのと、関連条文・通達などを巻末資料として掲載してもらえると大変助かるなと感じました。
外国人のための起業・会社設立支援マニュアル―国際業務必携!
This book contains important information for foreigners to start business in Japan: Companies Act, Labor Act, insurance, immigration, taxation etc. As the author notices, basically this book is valid for small business; as for larger enterprise, additional restrictions which are not mentioned, such as minimum of handicapped employees, are placed. Anyway, from my point of view, choice of the information is done well.
Yamada, Autistic Registered Management Consultant
ユダヤ人の脅威―アメリカ軍の反ユダヤ主義
この著作は、19世紀末から第2次世界大戦にかけてのアメリカ軍に存在した反ユダヤ主義を、軍情報部の秘密資料を中心とする膨大な資料を解読して提示した著者渾身の力作。ナチスの反ユダヤ主義が強調されがちであるが、ナチスに敵対していたアメリカ上層部にも根強い反ユダヤ主義は存在した。こういったアメリカにおける反ユダヤ主義は、9.11の同時多発テロ以降も形を変えて継承されている。「文明の衝突」を批判する向きもあるが、本書を読めば、「文明の衝突」が現在の紛争の根底にあることが確認できよう。
ラテン・アメリカは警告する―「構造改革」日本の未来 (シリーズ「失われた10年」を超えて―ラテン・アメリカの教訓)
景気回復の証左として政府があげる大企業の異常なほどの増益は、
新自由主義的改革による「終わりなきリストラ」「中国・アジア並みの低賃金化」の結果である。
大企業の利益はパーセントで二けた台、三けた台の急増ぶりだが、売上高はわずか1%増に止まっていることからも明らかなように、
トリクル・ダウン効果など机上の空論にすぎない。
大手銀行グループの不良債権問題は峠を越えたとのことである。
貸出金利を据え置いたまま、預金金利を百分の一にすることで、実質的には労せずして百倍の収益を手にした輩たち・・・
この十年ほどで、国民一人当たり10万円も銀行様に強奪されるはめになってしまった・・・控除の効かない税金である。
元大蔵政務次官にして銀行の利益代表者、小泉純一郎は、郵貯・簡保まで、銀行の草刈場にしようと躍起になっている。
バブル崩壊時、儲けた輩は決して自ら語ることはなかった・・・郵政民営化を秘めやかに推進する銀行の格言は、「沈黙は金」である。
極めて少数の勝ち組のみが嗜好する新自由主義とは、大多数を負け組に追い遣った犠牲の上に咲く徒花である。
投資効率を確保できるフロンティア領域の喪失が顕著な現在、「大企業・銀行」は、
「中小企業や家計部門」への向かうはずだった資金を遮断することで溜め込んだ余剰資金をどうしたいというのだろうか?
宮崎学氏が述べたように、この資本主義の修正(新自由主義)が、新しい反資本主義の理念の母胎になると確信した次第である。