花のあと [DVD]
最初、『少女コミック』から出てきたような美少女剣士然とした北川景子の表情と目、感情のこもらないセリフに、少なからず不安を抱きました。でも、凛とした可愛さはあったし、ダメだと斬り捨てられないものがりました。しばらくすると、脇役の上手さもあってか、段々とぶっきらぼうなセリフ廻しが味に変わります。
彼女がふすまを開けたてするとき、いかにも作法の先生に習ったとおりにやっている感じなのだけれど、それが仲々いじらしくてよかった。これまたちょっとあぶなっかしい感じの宮尾俊太郎(初めて見た。ダンサーでTVドラマでも活躍しているらしい)とのぎごちない出会いの後、北側と宮尾との試合は、殺陣として、けっこう頑張っているように見えたし、クライマックスで、市川亀治郎との決闘シーンで見せる殺陣では、市川亀治郎と互角に渡り合うのが凄い。
脇役が上手いと記しましたが、國村隼、柄本明の上手さはあらためて言うまでもありませんが、市川亀治郎の悪役ぶりがいかにもの「型」を決めているのと、許婚者の片桐を演じる甲本雅裕のとぼけた演技がまたいい。甲本は、物語のちょうど半分くらいまでは気配しか漂わずに、やっと出たと思ったら、カッコ悪いし、出てくる度にむしゃむしゃご飯を食べてるし。(笑) でも、前半の、ある意味悲劇を柔らかくそして優しく包み込むような物語に変えるためには、彼のあの『破顔一笑』というのがピッタリのグシャグシャな笑顔が本当によかった。
ただ、若手で演技のしっかりした伊藤歩の登場シーンが少なかったのはちょっと勿体無かったかな。
これまで映画化された藤沢周平作品は、「男」という印象が強かったのですが、本作は女心を描く映画でした。
主人公の美剣士以登が剣の使い手の孫四郎に一目惚れし、彼の死に疑問を抱いて真相を探るのも一つの愛である。また、以登が許婚の才助に協力を頼み、彼女を信じてひたすらに働く姿を見て次第に才助を見直し心を寄せるのも愛である。
最初はただの多飯喰らいと思っていた才助が、次第に頼りに思えてくるのが面白い。あたたかく、凛とした潔さ、じんわりと幸せな気持ちにさせてくれる作品でした。
鶴岡公園の桜や、玉川寺の見事な庭園、雪の月山など、山形庄内地方の美しい自然が、情景を豊かに表現している。これまで映画化された藤沢周平の作品はたくさんありますが、本作も名作の一つに数えていいと思います。
神仏のまねき (梅原猛「神と仏」対論集 第三巻)
二人とも、余りにも繊細で、傷つきやすいので、ああいう、心の闇みたいなものに惹かれるのかと思った。人生明るいところばかりでなく、悲しみ、怒りそういったマイナス部分があってこそ、引き立つのだとこの本を読んで感じた。
逃走中8~run for money~【王国編】 [DVD]
この作品は逃走中が好きな方はお勧めな作品です。
「ハンターから逃げ切れば賞金を獲得できる」ことは同じですが、この王国編は今まで(逃走中1〜7の間)にありえなかったミッションがでてきてとても驚きました。
わらえるシーンなども沢山ありました。
amazonの商品説明には書いてないようなので書かせていただきます。
特典映像として【ミッションムービー完全版「Runner of the kingdom〜王国の走り人〜」】も収録されていました。
恋するナポリタン ~世界で一番おいしい愛され方~ スペシャル・エディション [DVD]
ビルから転落してきた男にぶつかり、気持ちと身体が入れ代わるやや不思議なお話。
その中で、死んでいったタケシのことが、わたしも好きになりました。
いつも温かく見守ってくれて、好きな料理でみんなを笑顔にして、余命少なくても朗らかにいたタケシは、とってもいい奴。
タケシが作ってくれる料理を食べて、みんながニッコリする。そんなほのぼのさがありました。
悲しいときこそ笑顔をみせる。そしたら天使がそっと背中を押してくれるから。そう言ってくれてたタケシ。
恋に限った気持ちじゃなく、人を想う気持ちがあって、悲しいお話なんだけど、うっかり心温まるお話です。
こてこてなラブストーリーなシチュエーションで現実的じゃなくて、手作りな感じがする映画だけど、くすっと癒される世界。私は好き。
カメ流
最初、歌舞伎役者さんのゆるいエッセイ本なんだろうと思っていたら大間違いでした。
・大地の章
・海の章
・空の章
三部に渡るエッセイ。偉大なる叔父様の猿之助さんとの関係、メンターとして師事する方々との交流。
哲学書を読んでる気分。コトバの一つ一つが言霊のように響く内容。
亀治郎さんは大河ドラマ、舞台でご活躍されてますが
真剣に仕事に取り組まれている姿勢も伝わり感動しました。
もちろん、ファンの皆さんの期待を裏切らないオフショット写真・歌舞伎での美しいお姿もカラー:モノクロ写真で満載!舞台裏の様子も分かります。
歌舞伎ファンだけにはもったいない。
プラス思考の精神力、直感力。強い信念。
オトナの男性にも目を通して頂きたい。
ますます亀治郎さんから目が離せなくなる一冊です。