CRYSTAL CITY
ジャケットの写真は新宿住友ビルディング。通称“三角ビル”と呼ばれ、このアルバム(1977年)が発表される数年前(1974年)に竣工した。当時はまだ新宿西口も高層ビルが少なく、それゆえ西口があたかもマンハッタンのように変貌を遂げつつある、まさにそのまっただ中にあって、時代の変化を体感できる重要なスポットであった。音楽もそれまでのフォークブームが一段落しつつあり、替わっていわゆる“シティミュージック”が台頭してくるのであるが、それは1976年に雑誌「ポパイ」が創刊され、また渋谷、原宿、新宿、池袋などを若者が闊歩する時代の到来と重なっている。60年代の街が討論と争乱の場であったとすれば、70年代後半の街は若者のステージであった。本アルバムは、そうした雰囲気をものの見事に伝えている。サウンドのアレンジ、詞の一字一句、そして大橋純子の歌から“街がステージになりつつある時代”の匂いを感じて欲しい。(なおこの時代のサウンドは、カーステレオで聴くと実に抜けがよいので、ぜひお試しあれ)
RAINBOW
約30年前、一度だけ『シンプル・ラヴ』の英語ロングバージョンを聴いたことがあり、ずっと探していました。この盤は中古アナログ盤でしばらく前に入手しましたが、今回この英語ロングバージョンを聴くために追加購入しました。ボーナストラックに英語版が2バージョンも収録されてたいへん嬉しいです。当時好きだった『クリスタル・シティー』も購入したくなりました。
2010/11/14追記
最近リマスターが流行ってしますが、この盤の音質には疑問を感じています。やたら音圧を上げ、またHI-FI感をあげている結果、ボーカルの高音部が割れる一歩手前であったり、やたらテープヒス(当時は磁気テープ録音ですから)が耳につきます。ボーナストラックは非常にうれしかったのですが、その他については結局ベスト盤を聴くことが多いです。
ゴールデン☆ベスト 大橋純子 シングルス
★4.5個
あるカフェバースタイルのお店のBGMで
「たそがれマイ・ラブ」が流れているのを耳にして心を動かされ、
このベストアルバムを衝動買いしてしまった。
いい歌は何年も経っても良い、
というより自分が年齢を重ねたことで、
やっとこの歌唱力の素晴らしさがわかるようになってきたのか
と考えさせられらた。
近頃は歌番組も減ってきていて、
歌手の活躍の場が減っているそうだが、
そういうときこそ真のシンガーの出番ではないだろうか。
とにかくこのアルバムは大橋純子を知らない人にも薦めてみたい。