デ・ジ・キャラットファンタジー〈上〉 (富士見ファンタジア文庫)
ゲームの「デ・ジ・キャラットファンタジー」を小説化したお話なのですが、うさだが主人公になっていて、でじこのことを思う気持ちがよく伝わってきます。
あと、全体的に「すごい」と一言。ゲームをやればわかると思うのですが、ストーリーが何種類かあり、一つ一つのシナリオが違う展開になっています。
それを不自然ではない形でまとめてしまい、ゲームをやった後に読むと本当にすごいと思えます。
ゲームではやや短めの「うさだ達のリアクション」が、よりおもしろくなっています。
それと、これは少しネタバレに繋がってしまうかもしれませんが、ルーンとルナはほとんど寝ているので、ゲーム版よりも出番が無いです。
なので、この2人が好きな方にとっては、少し残念かもしれません。
兄妹はじめました! (2) (まんがタイムKRコミックス)
主人公である義理の兄妹と、親交ある血縁の兄妹の2組4人を中心に、好きとか萌えとかギラギラした設定をあえて前面に出さず、「好きだけど萌えなんだけど」とりあえずココ座って茶でも飲もうぜ的くつろいだ日常生活が妙に好ましい、僕にとっては気の置けない作品ですね。大雑把なのに小癪に愛らしい愁☆一樹氏の作画もマッチしています。
くっついて欲しいカップル(組み合わせ)と、くっつくしかないカップル(結び合わせ)がだいたいイコールの幸せな予定調和、こじんまりとした世界観にあって、甘さひかえめ無責任に安穏とした恋愛時空はいっそいつまでも終わって欲しくないなあと思っていたところ、この2巻終盤から登場してきた双子兄妹が台風の目予告。とはいえその進路予想図(ツンデレ注意報)は既にミエミエという感ありやなしや・・・。
ドキドキが日常に吸収されてしまった"好き"、まるでげっぷすることを忘れた炭酸飲料みたいに締まりのない2兄妹の"たすきがけ"は、双子台風の衝撃によって何か"あたりまえの想い"を吐き出せるのかな。
兄妹はじめました! (3) (まんがタイムKRコミックス)
双子の兄妹・真黒と真白も上手く馴染み、お話の幅を広げるのに貢献しています。
素直になれない真白の、主人公(?)の茜に対する冷たさの理由も、少しずつですが描かれてます。
そして、茜の義理の妹・葵の茜に対する意識の変化もほんのわずかですが感じられるような……?
茜の葵へのシスコンぶりや、葵の友人で茜を好きな萌葱の奔放ぶりも存分に楽しめます。
特に後者は本当に楽しいです。天衣無縫・天真爛漫なさまがとても。
この作者独自の間の取り方(3コマ目で無言になる)も個人的には好みです。
語るだけが、描き込むだけが全てではないという良い見本かもしれません。
兄妹はじめました! (4) (まんがタイムKRコミックス)
血の繋がらない兄妹という、お約束の設定。
この種の作品は、ドロドロな展開になるというパターンがあったりするが、
ほのぼの系のギャグが得意とする作者に、そのような期待をするのは無粋というもの。
あいまいな終わり方ではあるが、この後、この二人はどうなるのだろうかと、
楽観的な希望を抱かせる内容に乾杯。