ボクには世界がこう見えていた―統合失調症闘病記 (新潮文庫)
統合失調症もしくはそれに類する病体がどういうものなのか。
精神病の専門医でも本当のところはよくわからないというのが実態なのだろう。
いや、もちろん外側から観た病体とか脳のCTスキャンとかそういう外部からの観察はできるのであろうが、患者がどういう体験をしているのかについては本人でないとわからない。
そして、本人はその体験を一般人にわかる言葉で表現するのが困難だったりする。
ということで、この書は数少ない患者自身による体験記ということでとても貴重なものなのだろうと思う。
精神病ということなので、周りの関係者含め、もちろん本人も大変な苦労をしているのだと思う。
それでいながらこの書を読んでいると、語弊を恐れずに言うのであれば、とても面白い。
著者にどこか物事を達観した視線があるせいだろうか?そこはかとなくユーモアの精神が漂う。
そして読み終えて気づくのは、程度の差こそあれ、人間誰にも心の偏りはあるのであり、それを通常値の範囲内におさめながらバランスをとって生きているのだということ。
たぶんその制御ができなくなった状態が精神異常として定義づけられるのだろう。
闘病記としても読めるし、青春期としても読めるし、人間の心のぎりぎりの際を描いた文学作品としても読める。
そして、意識を持った人間って、どういう生き物なんだろう?という知的好奇心にもつながっていく。
一読の価値はあると思う。
わが家の母はビョーキです
『統合失調症』・・・
この病気、なんとガンと同じくらいの発症率。
これは衝撃的でした。
私は本当に今まで、
【精神が病んでいる人=一生治らない】
って、思ってました。
でも違うんですね〜。
まさか薬で治るなんて!
なんでも初期段階での発見&治療が大切なのですね・・・。
たしかに身体の不調は、薬や治療で治るんだから、
精神的な不調が治らないワケないですよね。
とにかく、知らなかった病気がスイスイ分かる本でした。
最後は感動で泣いてしまいます。
マンガでわかる!統合失調症
私自身もこの病気です。
今は、数か月前からパートで、障碍者枠で働いています。
春の職場の環境の変化、季節による不安定によりかなりストレスがかかり、妄想のような状態を引き起こしてしまい、どうにか最悪の状態を踏みとどまっています。
自分の中で、比較的、陽性症状は軽い方なので、自分でも、人からもあまり病識に乏しいこともあり、時折、すごく調子がいい時は、この大量の薬を本当に飲む必要があるのか?
とか考えてしまうこともあります。でも、この本を読んで、いかになるべくして(もともともろいところに一気に過度なストレスをうけたりして)私がこの病気にかかってしまったことを納得できました。
地元の本屋で何気ない気持ちで手にとったこの一冊。
冒頭の被害妄想のところで、最近の私はまさにこの状態だ!!と自覚し、今までそのような状態に取りつかれていた時、周りから軽視されて苦しみが理解してもらえなかったことがやっと、わかってもらえた、というような何とも言えない気持ちになりました。
病気を患ったばかりのころ、寝たきりの私に退院してから父に「いつまでごろごろしているんだ!!」と、怒鳴られたことも、働きたいと思うようになってからは、「反動が嫌だから働くな!」と言われてきた矛盾。ずっと父のことを酷いと思ってきました。
この本の漫画の主人公は家族に恵まれているなあ、という羨ましい気持ちも抱きましたが、やっと、心してやっていかないと、まだ、私の病気は治ったわけではないのだ、と昔できたことができなくなっていたり、何かにつけて落ち込むことの多い私ですが、家族の理解の大切さや、うまく病気と付き合っていかなくては、と、改めて再認識させられました。
もし、私が発病していた時、この本が出ていたら、どれだけ良かったか、と思いました。職場の上司や、親戚にも読んでもらいたいと思うほど、良く過不足なくごく自然にあらわされています。
役に立つ福祉関連の情報や、家族の理解の大切さなどが書かれていて、変な偏見とか、恐怖心など、この本のどこからもみじんも感じず、あの時気まずくなった兄弟からももっと早くにこのような本があって、早く理解してもらえていたら・・と悔いることも多くて。
専門的な堅苦しい本は多いですが、今一具体性に欠けるので、この本は漫画ですが、今まで手に取ったどの本より説得力と信憑性があります。
いまだに、一部の精神病院ではひどい扱いをするところもある、というような、当事者になってみないとわからないことまでちらっと織り交ぜられて描かれていて、この本を読めば、病院選びからベストな選択ができるのではないかと思います。次回は、働き始める場合など、もっと社会復帰に向けてのことなどが盛り込まれるバージョンが刊行されることを期待しています。
機能不全家族(アダルトチルドレン)
統合失調症など心の病は精神科では治らないのではないかという既成概念がありましたが、本書を読むと積極的に精神科にかかることこそ解決の道だと分かります。なぜなら、精神科では、(少なくとも著者は)薬の処方にとどまらず患者や家族とのカウンセリングを行っているからです。そのことで、病気に対する認識と医師に対しての信頼を深めることになり、気持ちも落ち着くのでしょう。また、この本は精神的な病気全般にわたって解説されていますので、知識としても読みごたえがあります。
恋愛睡眠のすすめ スペシャル・エディション [DVD]
さすがに洋画の恋愛物語なので、ステファンとステファニーの2人が最後は作られた馬で仲良く乗馬?って感じで閉じているのはほのぼのしていたし、音楽もよくてのめり込んでしまいました!ステファンは母親が言うているように6歳のころから統合失調症で妄想と現実がころころと入れ替わる大変な病気ですが、その病気を感じさせないタッチの物語が見ている人の心をなごませていると思います。統合失調症ってこんなになるのかな〜って少し疑問も感じながら見ていました!この映画は今の時代における病気と恋愛をうまく描いた作品ではないかと考えています。それにしても恋人のステファニーは魅力がある女性でいい役者を感じさせられたので何度見てもほのぼのとするでしょう!よかったです。!ただ統合失調症の病気をわかってもらうにはどうかな〜と思い☆4つとしました。