ルトガー・ハウアー 危険な愛 [DVD]
他のレビューでも書いている通り、この映画にはグロテスクなものがこれでもかと詰め込まれています。でもそれらのイメージは、劇中でルトガー・ハウアーも言ってる様に、皆が認めたくない「醜い真実」の象徴なのだと思いました。
そして、夕陽と海などいくつかのシーンは、まるで絵画の様に美しく、それらを交互に見せる手法に不思議な感動を感じました(BGMもシンプルですがとても良い曲ばかりで、各シーンの感動を引き立たせていました)。デジャヴを感じるシーンも結構あります。
主人公カップルは、(バーホーベン映画の登場人物らしく)時に自分勝手に行動している様にも見え(もちろんその他の取り巻きの人々もそうですが)、いくつか生理的な嫌悪や恐怖を感じさせる場面もあります。
でもだからこそ、異常な愛を見せるハウアー(劇中でストーカーやレイプまでしてます)にも、その愛にリアリティを感じて感情移入できるのではないでしょうか?介抱した海鳥を放ってやる時の彼の孤独な悲しい表情を、私は忘れられません。