アネットと秘密の指輪 お嬢様とロンドン塔の王子 (角川ビーンズ文庫)
下町で育ったアネットは、父の実家を継ぎ女伯爵に。
わけあり執事リチャードと、敏腕弁護士ユージンの助けもあり
無事に社交界デビューを果たしたが
ユージンの妹シャーロットをさらった犯人たちが漏らした
「ロンドン塔の王子」のことが気になっており。。
アネット報われず、の巻です。ラブ的な意味で。
アネットはリチャード一筋、わき目も振らずなのですが
リチャードにはすっかり誤解されている模様です。
そのかわりユージンや王太子とは、ラブフラグがいっぱいたっております。
リチャードの姿は、表紙からも消えちゃっています。。。
アネットの自立した凛としたところがユージンたちにはいい作用を生んでいる近頃、
わけあり執事には「彼女はひとりでももう大丈夫」という言い訳にされちゃってます。
わけありの「わけ」のほうが、いろいろ動いているせいなのですが。
前回はわがままぶりが目立ったシャーロットも、いい感じでした。
不器用な「友人」ぶりがほほえましい。
「ここはわたしの世界」というシャーロットのしゃんとした感じが好感でした。
アネットには初の、上流階級の女友達かも。
今回もいろいろ事件は起こりますが、
全体としてはあまめ(主人公の望みの相手じゃないですが)です。
でもラストでどきどきの展開となっており、次はシリアスな予感です。
クリスタル~クラシカル・フェイヴァリッツ
「題名の無い音楽会」の放送で聞いたアヴェ・マリア(カッチーニ)に惚れこんで買いました。白い巨塔を始めいろいろなドラマやドキュメンタリー、CMのバックに流れているお馴染みの曲ばかりです。とにかくヘイリーの声の透明感が素晴らしいしです。若々しくて瑞々しくて、雪解けの山のせせらぎのような素晴らしい音色に心が洗われます。
倫敦塔・幻影の盾 (新潮文庫)
・倫敦塔
・カーライル博物館
・幻影の盾(まぼろしのたて)
・琴のそら音
・一夜(いちや)
・薤露行(かいろこう)
・趣味の遺伝
の七篇に、大野淳一の注解と伊藤整の解説を加えた一冊である。
漱石先生のロンドンでの見聞を元にした作品や、
アーサー王伝説を元にした物語など、多種多様な短篇が並んでいる。
然しながら、読み易さと物語性では「琴のそら音」「趣味の遺伝」が特に秀でていると思う。
「琴のそら音」は人間の予感にまつわる不安感を描いた小話で、
「趣味の遺伝」は日露戦争で死んだ友人を巡る人の縁を描いた物語である。
ところで、日本の小説家で初めて感嘆符を三つ並べて使ったのはどうも漱石先生らしい(本書239頁より)。
現在の小説作法では感嘆符や疑問符を並べて使うのは良くないこととされているそうだが、
当の文豪は細かいことに拘らずに好きに書いていたようだ。我々読者も広い心で小説を楽しみたいものである。
倫敦塔・幻影(まぼろし)の盾 他5篇 (岩波文庫)
明治38年。漱石が「ホトトギス」に「吾輩は猫である」を連載していた頃の小品7作が、まとめて載せられている。
「倫敦塔」とはロンドンのテムズ川沿にある「Tower(タワー=塔)」と呼ばれる古い城のこと。ウィリアム一世が1090年に建てた城塞だが、後に政治犯を幽閉する牢獄として使用された。現在は博物館として拷問の道具や中世の武具、英国王家の宝石類を展示しており、城の内部を見学できる。漱石が官費留学生として英国に滞在中に、このロンドン塔を訪れた。その時の体験を基にして、リチャード二世やヘンリー六世の昔に空想をはせる形式で書かれたのが、この作品。テーマとしては面白いが、ちょっと物足りない。星2つ。
一緒に収められている他の6小品のうち「幻の楯」は無理をして中世騎!士物語を書いており、これは駄作。星1つ。「琴のそら音」は、ほのぼのとした心温まるストーリーが良い。星3つ。「一夜」は、散文詩的な不思議な作品。妙な魅力がある。星3つ。
最後の「趣味の遺伝」は、日露戦争で戦死した若者とその若者に心を寄せた女性についての話。恋愛に関する好みの遺伝といったユニークな観点からまとめてあり着想が面白い。読後感も良く星4つ。
以上を総合評価すると本小品集全体としては星3つ。
どこかで聴いたクラシック クラシック・ベスト101
5枚目の7曲目に「トランペット吹きの休日」とありますけど、
実際は「トランペット吹きの子守歌」という別の曲でした。
作曲者は同じアンダーソンですが・・・
一番のお気に入りの曲なので、
届いたCDのリストを見て載っていなかったのはショックでした。
全体的には知っている曲ばかりで、6枚組3000円という価格から見ても
お買い得だと思います。