ストラヴィンスキー:春の祭典
LPで最初にでた時優秀録音で有名だった。今聞きなおしても凄い。アナログ録音の絶頂期なのでそこらへんのデジタル録音を軽く蹴散らしている。このころのデイビス、コンセルトヘボウはハイドンでもそうだが、つややかな高音弦、リズミカルな低音弦、くっきりとした木管にここぞとばかりの大太鼓とオーディオ的にききどころがたっぷり。演奏は変な解釈はなしの中庸。でも平凡ではない。中庸の美は説明しにくいので困るのだが、改めてオーケストラの良さを認識。
ペトルーシュカは47年版。やはりパワフルだが整った演奏。
ドビュッシー:ピアノ作品全集
フランス人ピアニスト、ベロフによるドビュッシーピアノ全集。理知的で明晰な演奏であり、録音も素晴らしいです。暖かなモニク・アースのドビュッシーも良いですが、負けず劣らず素晴らしいドビュッシーです。これほどの表現力のあるドビュッシーもめったにありません。ぜひ、聴いてみて下さい。
追記:DENONクレスト1000で分売されているのですが、全5枚中4枚がレコード芸術特選、残り1枚がレコード芸術準特選に選ばれています。驚異の名盤だといえるボックスセットです。
ある貴婦人の肖像 [DVD]
この作品は原作の雰囲気をまったく損なわせず、それどころか原作以上に上品さを際立たせ、一人一人のキャラクターに美しい個性を与えている。主役に二コール・キッドマンを迎えているが、彼女の周りを彩る役者たちは主役にまったく劣らず、この作品を際立たせている。音響効果や撮影方法なども細かいところにカンピオン監督の技が感じられる。主人公イザベルを中心に展開される人間ドラマが美しい。
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ
1991年3月クリーヴランドで録音。『春の祭典』は1964年のフランス国立放送管弦楽団、1969年同じクリーヴランド管弦楽団との録音に次いで3度目。『ペトルーシュカ』はニューヨーク・フィルとの1971年盤に次いで2度目の録音となる。
言ってみればブーレーズはまるで名器を選ぶかのように曲によってオーケストラを楽しんで選んでいる。まさに、
ジョージ・セルが磨いたクリーヴランド管弦楽団
サー・ゲオルグ・ショルティが構築した管の強国シカゴ響
フルトヴェングラーが(間違ってもカラヤンがではない!)鍛え上げたベルリン・フィル
元から最高の音楽集団であるウィーン・フィル
と、選び放題に選んで緻密な演奏を聴かせる。本作は得意中の得意な曲でしかも再録と言うことでホントに緻密で完璧だと思える。
僕はこちらの再録の方をベストだと断言したい。