水道管の叫び
俊成正樹は、私が高く買っているジャーナリストで、
彼の前著『日本から水がなくなる日』に引き続き、この本も読んだ。
今回の本は、松下和弘との共著で、前著よりもはるかに面白い。
松下という人は、水の化学的分析の専門家で、
「おいしい水」を化学的に解明した人だそうだ。
本書の主題は水道管の経年劣化、そしてMDA発ガン性塗料による汚染の
問題である。わたしは科学・化学の問題や技術の問題は苦手なので、
「この本、最後まで読めるかなあ」と思いつつ読み始めたのだが、
夢中になって、ノンストップで最後まで一気に読んでしまった。
この水道管の問題は、すでに国会でも取り上げられ始めているのだが、まだまだ
大社会問題化するに至っていない。
行政の内部やマンション企業や管理会社等の「抵抗勢力」があるのだが、
やがって、爆発的に問題化するだろう。
（逆に、この本を読んで、さびにくいステンレス鋼管を使用する
「水のきれいなマンション」を売りにする会社も出てこよう。
付録の「水道水とのかしこいつきあい方」も、ものずごく有益だった。
