TVアニメ「破天荒遊戯」DVD 第1巻
ストーリーの流れ的に破天荒の限りを尽くし、いわゆる「カオス系アニメ」に該当する作品だと
個人的に考えています。
そして、この作品には「カオス系アニメ」に必要とされる物が揃っている。
まず筆頭に「先の読めない展開」。
王道、常識を無視し、徹底的に視聴者予測の裏をかく事が求められますが、この作品はそれを
忠実にこなしている。
特に第2話が顕著ですが始まって20秒で、その破天荒ぶりに愕然とし、その展開の早さに対して
ついていくのが精一杯。
本当に先が全く読めない。
そして、第二に「完成された設定」
舞台上で繰り広げられる無茶苦茶振りに耐え抜く磐石な土台。
と、言い換えて良いと思います。
いくら破天荒、無茶苦茶でも、その場面、その状況でそのキャラが言わないだろう事とやらない
だろう事は決してやらず、そのキャラがやりそうな魅力的な行動、発言を丁寧に描写する事。
総じてカオス系アニメはこの設定の組み方が実に難しく、絶妙のバランスで組まないと、即で、
全てが崩壊しますが、このアニメは、そこが出来ている。
更に副次的に見た所、作画的にも安定感があり、声優さんの演技も水準の上。
しかしながら、一般的なアニメ作品を基準にすると邪道ですので広範な支持を得られないかもです。
そういう時、私はこう言う事にしてます。
「激辛アイスクリーム」と称したらアイスクリームとして邪道でも激辛な物を出すのが正道。
「アメリカ風フランス料理」と称したら、いくら邪道でもアメリカ風な味付けにするのが正道。
同様に「破天荒遊戯」と称している以上、アニメ作品としていくら邪道だろうが、その破天荒ぶりを
見せ付けているこの作品は正道に則している物だと考えている。
natural
曲目は多くは既に知っているものばかりでしたが、改めて聴くととても良いですね。
特にこのCDでは引田さんが作詞・作曲した曲も2曲入っていますが新たな一面を見たように感じられてすばらしかったです。
歌のうまさはもちろんですが、作曲もなさるとは知りませんでした。
既存の曲とは違った新たな一面で、とてもアップな曲から落ち着ける曲まで入っていて美しさすら感じました。
1stアルバムですが今後もコンスタントに出されることを希望します。
破天荒遊戯 13巻 (ZERO-SUMコミックス)
「13、4年前、アルゼイドの父親を殺したのは長い長髪に青い瞳の女性」
物語当初から示されていたこの「事実としてあった過去」、これをなぞるように現在物語は進行しています。ラゼルはキアラと出会い恐怖し、セカンドという人物を理解したいと願い、2人の子供達の正体を推測します――。全てのパズルのピースがぴったりとはまる、そんな絵がきっとある筈と信じて。
多分これ、「あること」を知っている人から見れば不思議でも何でもない物語なんでしょうね。我々読者、そしてラゼルやアルゼイドに知らされていない「知識」。それが実現可能であることを知っていて、その原理を理解さえしていれば容易に説明しうる、そんな物語なのだと推測出来ます。例えばクローン技術を知らない古代人が同じ顔の人間が2人いればそれは双子だろうと信じソレ以外に考えようもない、そんな感じに。
真相に本当に近いからか展開はゆっくり気味、じっくりと描く気なのならとことんまでその方針は貫いてもらいたいものです。いよいよ核心に近付いてきた13巻、14巻も早めにお願いします。
ANOTHER BEST
ここまで聴き応えのあるアーティストだったとは...
というのが本作で初めて彼女のフルアルバムに触れた感想である。
(数々のゲーム主題歌アニソンを手掛けている方という前振りは既知ながら)
それは張りのある心地よい伸びやかな歌声が、どこまでも導いていく未知の世界。
何と表現したらよいのか適当な言葉がみつからないほど、その声が旅する様々な
楽曲たちの実に多彩なこと。それは音楽そのものが内包する魅力そのもの――そして
何と言っても、いとうかなこ自身にそれだけの表現力が介在しているからこその賜物。
特に歌い手の資質が問われるだろう中盤のバラード(悲しみの向こうへ、約束、
ワルツ)では、しっとりしたメロディを歌い、思わずじっと聴き惚れてしまう。
正直キャッチーさが売りのマキシ『Heartbreaking Romance』を試聴したのみでは、
どういう方向性のアーティストなのかも全く判らなかった。しかし上記c/wでも感じた
ナチュラルな雰囲気が本アルバムでも感じられつつ、かつそれ以上の音楽的面白みを
どこまでも追求しており、深い森と湖を思わせる物語のような冒頭曲から、なかなかに
聴かせてくれる。まず本人の歌声=生の声に非常に雰囲気と力のある人だと思った。
そして当然巧い。アコースティックな味わいのある素直な曲やフォルクローレ調から、
ビートの利いた弾けた楽曲まで...魅惑的な仏語を披露する2曲目から、既にその独特な
味わいのある歌の世界の虜となった。(特にラストのアッパーな英語曲のVocal worksが
滅茶苦茶カッコよい!)これまで未収録だった諸々ゲーム主題歌などを集めたベストアルバム、
という形式的な解説やコンセプトを覆すような独特の雰囲気が全体を通してあるのは、
やはり当然これまで手掛けてきた音楽世界が様々に幅の広さを持っていた証拠なのか。
こうなると俄然リリース済みの既存アルバムなども、是非に耳にしてみたい
という衝動に駆られる良作。冒頭からラストまで、まさに一瞬たりとも飽きさせる
ことのないソツのなさに舌を巻き堪能した。遅ればせながら今まさに「いとうかなこ」
という、まさかの逸材に遭遇した事件(こと)を心から喜びたい心境なのである。
破天荒遊戯 12 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
恐怖に打ち勝つ為、父のセラティードにあるお願いをするラゼル。一方アルゼイドは真相を知るため、単独で行動し――
相変わらず発売に間があって最初話がつながりませんでした。前の巻を読み忘れたのかとさえ思いました。
前半はともかく後半はこれまでの謎がいくつかとけてすっきりしたので、「発売待ってて良かった」と思えました。この巻を読んでから8巻の列車内でのアルゼイドの話とか、9巻の過去の回想部分とか読むと「ああ!」ってなります。でもこの真実、アルゼイドが知ったら……。
解明された部分もあるのですが、きっかけを与えるのがキアラというのが引っ掛かります。一体なにをしようとしているのか。第1部とかそういう単語があとがきにありますが、悠長にしていないで話をまとめていってほしい作品。