スリー・アワーズ・オブ・サン
ひとりで全パートをこなす”一人バンド”は掃いて捨てるほど存在するわけだけども、
このバンドはPCオタクなインダストリアル系やブラックメタル系に比べて、
いい音を出してると思う。
しかし、商品としてはいいのかもしれないけど、
毒にも薬にもならない。
Nebularium/the Restless Memoirs Ep
まずEPの方の評価を書きたい。"The Restless Memoirs Ep"というタイトルであり、1999〜2006までに作られた未発表曲のリレコーディングである。もちろん音質、音量は統一されており、現代の技術でミキシング、マスターされているのでサウンドは問題なし。
曲も非常に素晴らしい出来である。曲の展開としてはもう少し多様で複雑なパートがあっても良かったと思う。例としては2stのMorgue Of Centuriesの様に展開に驚かされるようなのは少ない。だが3ndよりはVoパートが後ろに引き、楽器が生きている。シンセやキーボードもいい味出している。正規アルバムはサウンド的に多少なりメロデスを意識しているがこれはメタルとしてカッコいい音に仕上がっていると思う。ビョーンは参加していないが、むしろエットレ、1stから参加しているベニー、クラウディオの3人のVoが活きているので弱さは全く感じない。元々このバンドは素晴らしいメンバーに恵まれている。
次は評価の低い1stの評価だが、俺は非常にいいアルバムだと思っている。ムンディファンには向かないので評価されにくいが、リフ、展開美、メロディ、Vo、硬派なサウンドながらSoilworkのようなキャッチーな面もあり、全てにおいて完璧だ。1曲1曲が長く、まるでEmperorのような展開美がある。ストーリー性を感じるのだ。とても渋い作品である。
ちなみにビョーンは脱退していない。元々「レコーディングに参加」という形をとっており、バンドメンバーではなかった。EPには参加しなかったものの4thアルバムには参加するので乞うご期待。
アーバン・ビーイング [ボーナストラック1曲収録・日本語解説付き国内盤] (YDSI-0006)
イタリアのエクストリームメタルバンド、デストレイジのアルバム。2007作
ジャケを見るかぎりアメリカのモダンなデスコア系バンドのようであるが、
イタリアのメロデスバンドDISAMONIA MUNDIの中心人物、エットレ・リゴッティが率いる
このバンドは、昨今のメタルコア、ヘヴィロック的な質感に、メロデス要素を融合させ、
SOILWORK以降のモダンアレンジを取り入れたミクスチャータイプのサウンドをやっている。
ヘヴィな跳ね系のノリに、流麗なギタープレイや効果的にシンセを使ったりと、さりげないお洒落さを
漂わせているのがさすがという。正直、好みの音ではないが質の高さは認めざるをえない。
ジ・アイソレイション・ゲーム
ゲストのビョーンは全体を通してほとんど歌っておらず、クラウディオがメインで歌っていますが
もうビョーンのサポートは必要ないと思える素晴らしい出来です。
前作よりも疾走感があり、大満足です。
キモいジャケットも、むしろ好きです(笑)
プリンセス・ジブリ II
ジブリメタルの2作目です。
前作に比べると,いわゆるネタ的な要素は減ってしまいましたが,
それでも流石としか言いようがない完成度です。
前作同様,疾走感抜群の曲構成は健在で,
しんみりとしたバラードだった『時の歌』と『愛は花、君はその種子』までもが,
リフとブラストを活かしたパワフルな作品に仕上がっています。
ハウル系の2曲は,ゆっくりでありながら速い・・・と
言葉にし難い特徴的なアレンジになっており,聴いていて飽きないですね。
どの曲も後半にかけて盛り上げていく展開が感動的で,
全体を通して壮大な印象を受けました。
今作はインストが2曲入っており,ポニョとトトロはRemix版になっています。
前作は重く激しい(&面白いw)印象でしたが,
Remix版は可愛く仕上がっており,ジブリのイメージに合っていると思いました。
個人的に一番のお気に入りは『On Your Mark』ですね。
エットレのセンスと美声が遺憾なく発揮されている点も然る事ながら,
原曲を意識した歌い方をしてくれているため,
感動をそのまま,ノリが上乗せされた素晴らしい曲になっています。
大勢で楽しく聴く場合は'Tの方が適しているかもしれませんが,
元気が欲しい時などはこちらをオススメします。
メタル自体は敬遠されがちなジャンルではありますが,
ジブリに馴染みのある方は大勢いらっしゃると思いますので,
是非とも一度手にとって聴いてもらいたい作品です。