ロケットボーイズ〈上〉
炭坑の町、ウェストバージニア州コールウッドに生まれた著者が、1957年の「スプートニク・ショック」で目覚めたロケットの魅力に高校生時代を燃やす、素晴らしい青春記ノンフィクションです。 映画『遠い空の向こうに OCTOBER SKY』の原作書で、映画と合わせて読むと、感動も倍増!
炭坑の責任者でもある厳格な父と、進歩的な思想を持つ母、無理解な学校と戦ってくれる若き女教師、もちろん「ロケットボーイズ」の個性溢れる仲間たち、そして古き良き時代のコミュニティの人たち。たくさんの人間とある時は対立し、ある時は励まされながら、夢を実現していく過程は、まさに「小説より奇なり」で、読みながら思わず応援してしまいます。
親子、家庭、学校、社会、そしてもちろん科学と、さまざまなテーマが見事にからんで、夢に向かって突き進む人生の素晴らしさを伝えてくれると思います。 誰にでもお薦めしたくなる、とてもいい気分になれる作品です。
巻末には、筆者のNASAでの友人(をっと、ちょっとネタばれか;)だったという、日本人宇宙飛行士・土井隆雄氏のコメントも掲載されています。
遠い空の向こうに [DVD]
主人公・ホーマー(ジェイク・ギレンホール)たち高校生が、「ロケット」という夢へ向かっていく青春ドラマですが、人と人との心の繋がりの暖かさ、優しさが心に沁みる物語です。終盤のホーマーが父親へ向かって「お父さんとは考え方は全然違うけれど、受け継いでる同じ気質があるんだ…僕のヒーローは、ブラウン博士じゃない(お父さんだよ)。」という台詞は、個人的には涙腺直撃でした。自分の様にならないように「下手に子供に理解を示す父親」より、己の仕事・生き方に誇りを持ち「その生き様を身を持って示す父親」こそ、子供にとって最良の教育ではないかと考えさせられます(もちろん母親のフォローが必要ですが)。
エンディングの8mmフィルムによる演出は、「実話」であることを認識させられ、心に沁みる最高のエンディングです。主人公も父親も己の道を貫き、あの先生は早くに亡くなられたのですね…。当たり前ですが、実際のロケットも映画違わずしっかり飛んでます。どこまでも高く高く…。
「遠い空の向こうに」オリジナル・サウンドトラック
「リバー・ランズ・スルー・イット」のヴァイオリンの響きが蘇るような
作品。50年代を意識してか、50'sのナンバーだけでなく、スコアそのものが
年代によく合っている。空に吸い込まれていくかのようなそのメロディーは
時に郷愁をも漂わせている。