欲しい (集英社文庫)
「ダブル」を読んでから、こっちを読みました。両方とも良かったです。女性の心理ってこうなんだ、とよくわかりました。ホストにはまる女性って、偏見があったんですが、こんなふうに相手をしてもらえれば、女性は幾らでもお金をだすだろうなあ、と納得できました。
ミステリーとしても良くできています。普通ミステリーって最後の所で、がっかりさせられるものが多いですが、「欲しい」では、ジグソーパズルの最後の1駒がぴったり収まって、完結という感じで、すっきりしました。
ただあまりに、完璧過ぎて、軽いという感じは否めません。もっと深く心理に迫る物を期待しています。女性のドロドロとした心理も描いて欲しいですね。ポスト宮部みゆきナンバーワンです。
年に一度、の二人 (講談社文庫)
永井するみさんというと、
美容やファッション業界など女性にとって興味深い世界をテーマに描いてくれる
作家というイメージでしたが、今回は「競馬場」。
まずはここにう〜ん・・・つまずいてしまいました。
一話目と二話目は香港で出会った別々の男女を描いているのですが、
どちらもそれぞれすごく中途半端な終わり方をする。
しかし、三話目でその二組がなんとなくリンクし、結末に向かうといった構成・・・。
タイトルそのまま、七夕的な「年に一度しか会えない男女」の話なんだけど、
情熱的なモノが文章から伝わってこず、恋愛ものにしては淡白で盛り上がりがない。
七夕のようなロマンティックも感じられず、
いまいち世界観にこめり込めない、引き込まれないお話でした。
恋愛小説を読みたい人にはおすすめしません。
ダブル (双葉文庫)
永井するみさんは、「さくら草」や「欲しい」を読んで、知り得た作家さんで、この2冊も面白かったが「ダブル」は、最高!いるよいるよ、そうそう何を勘違いしているのだか、鼻につく存在の人達。それを追う女性記者と妊婦の乃ノ香のやり取りも、ものすごく面白い。この人は、もっともっと売れてもいい作家さんではないかなと思う。「ダブル」の意味も二重に出てきて、本当に面白いので、読んでみてください。どちらかといえば、女の人向けかな??
ピュアフル・アンソロジー 初恋。 (ピュアフル文庫)
ピュアフルアンソロジーシリーズを装画担当の早川司寿乃さん目当てで買っています。
早川さんは主に書籍やCDの装丁をされることの多いイラストレーターですが、いくつかのオリジナル創作もあります。
今から20年以上も前に早川さんのイラストを初めて見たとき、あまりの心地よさにとりこになってしまいました。
懐かしい風景を、非現実的な構図に組みなおし、シンプルな線とやさしい彩色で夢の中の風景のように再構築される独特のもので、一時期結構人気を博されていました。
このように過去形にしてしまうのは失礼なのですが、最近では装画以外ではなかなかお目にかかれなくなっていて、さびしい思いをしております。
かつてはコミックファンタジー誌で独特の詩情あふれる創作もされていて、林静一の再来かとばかりに期待していたのですが・・・
本アンソロジーシリーズでも、大変個性的で美しい表紙をいくつも担当されています。
そして、この本ではいよいよ創作も掲載されました。
実のところ、かつてコミックファンタジーに掲載されたものの加筆版なので少し残念ではあるのですが、編者の目の付け所に拍手を送りたいと思います。
レッド・マスカラの秋 (ミステリーYA!)
高校生、凪が活躍するシリーズ第1作目『カカオ80%の夏』を読んで、永井するみさんのファンになりました♪まさか続編が出るとは思ってなかったので、嬉しい限りです(^^) 今回もとっても楽しく読みました!読み終えるのが勿体無かった、、。凪のクールだけど女の子らしい一面が垣間見える性格が好きです。謎解きはもちろん、マスターと凪がどうなるのか今後の展開も非常楽しみです☆早くも次回作が待ち遠しいなぁ♪