BURRN ! (バーン) 2009年 02月号 [雑誌]
唯一と言っていい、日本のHM/HR雑誌。
批判も多々ありますけど、メタルファンからすると
頑張って貰わなければなりません雑誌です。
今月号は、アンジェラ姉さんが表紙ですよ。(カッコいいっすなぁ♪)
一昔前なら考えられない表紙ですね。少しずつですけど変化はしていますよ。
今月号は、2008年のファン投票ハガキが付いてます。
Liveパフォーマンス部門は、たぶんこの表紙の・・・かな。
結果は4月号で。
Masters From the Vaults [DVD] [Import]
本DVDはファンタスマゴリア録音時のメンバーのLive映像が見られるもので、収めされている曲目は「Marie Antoinet」「Proposition」「Melinda」「Vivaldi」です。時々、曲に合わせた(?)映像が流れる(Propositionでの映像は猛禽類がネズミを食いちぎるというグロいものです)のがうるさいですが、何しろ今までCurved AirのLive映像を見ていない私には貴重なものでした。
Air Cut (Dig)
73年発表の4作目。プログレでは非常に人気の高い当時17歳だったエディ・ジョブソンのデビュー盤として長らくCD化が望まれていた作品であり、エアの最高傑作と評価する人も多い名盤。前作で主要メンバーの3人が脱退してしまい、グループはほぼ解散に近い状態にまでなってしまったが、残ったソーニャとマイク・ウェッジウッドはエディ・ジョブソン(k、vln)、カービー・グレゴリー(g)、ジム・ラッセル(dr) を加えて本作を発表した。キーボードとヴァイオリンという主要楽器と作曲という基幹を支えていたダリル・ウェイとフランシス・モンクマンの2人の役割を一人でこなしたエディの評価は本作でも非常に高く、技術的にも水準が高い。しかしながら本作での主役は明らかにギターのカービーだろう。ハード・ロックに近い硬質なプレイはグループに活気を与えているし、従来のグルーブにはなかったドライヴ感を加えている。
1.はギターのカッティングが印象的なポップなナンバー。何となくポップ期のキャラバンに通じる明るい雰囲気を持っており、途中のシンセ、ギターのリードという流れもそれを感じさせる。何にしても従来のエアではあり得ないストレートなロック曲だ。2.はトラッド・フォークっぽい曲だが、屈折したコード進行とソーニャの歌声が悩ましい。モジュレーションを活かしたシンセの音色も個性的だ。3.はクラシカルなピアノが印象的なソーニャとエディの共作による、この時期のエアの代表曲。ルネッサンスに通じる雰囲気を持ちながら、エアらしさも兼ね備えた美しく、ドラマチックな曲である。中盤はエディの独壇場。5.ではエディのヴァイオリンも登場する。ダリル・ウェイと比べるとやや線が細いが、神経質そうな演奏はまた違った味わいがある。8.もこの時期の代表曲といえるドラマチックな曲であり、陰鬱で美しいメロディはエアの良い部分を摘出したかのようだ。名曲。
グループは本作の後、一旦解散となり、マイクはキャラバンへ移籍、カービーとジムはストレッチを結成。エディはロキシー・ミュージックに移籍した。
Second Album
71年発表の2nd。前作発表後、ベーシストがイアン・エアに交代している。1stは『ヴィヴァルディ』など印象的なインスト曲が含まれていたが、本作は歌ものだけで勝負している。方向性やコンセプトがしっかりしているためか、前作にあった前衛性はやや影を潜め、非常に聞きやすくなっている。前半をダリルの楽曲、後半をフランシスの楽曲でまとめており、この2人が中心となってアルバムが製作されていると見て良いと思う。
1.はブラスが導入され、ソーニャの歌声とダリルのヴァイオリンが融合、そして効果音 (これが見事にハマっている!!)、リードと縦横無尽に活躍するシンセサイザーとエアの魅力を凝縮した曲。代表曲の一つと言えると思う。2.はグループ唯一のヒット曲 (全英4位) とも言える比較的ブルージーな曲。ソーニャの歌声を全面に出した洗練された曲だ。3.はエアでも最も美しいメロディを持った名曲。クラシカルかつ屈折したメロディを持った英国風の素晴しい曲に仕上がっている。4.は比較的地味な曲だが、短いながら印象的なギター・ソロが登場し、ヴァイオリンやシンセといったインパクトの強いリード楽器の中でかなりの健闘をしている。8.はブラスやハープシコードを導入したかなりの力作。アクセントを多用したクラシカルかつ複雑な展開は一聴の価値あり。フランシスにとっても最高傑作の部類に入る曲だろう。
アルパムとしては、かなり地味なイメージはあるが、楽曲の素晴しさで選ぶのであれば本作だろう。
Phantasmagoria
72年発表の3rd。ベーシストが、マイク・ウェッジウッドに代わって発表された作品だが、本作発表後にグループの中心的人物であったダリル・ウェイ、フランシス・モンクマン、フロリアン・ピルキントン・ミクサの3人が脱退してしまう。前作同様に前半がダリル・ウェイ、後半がフランシスの曲という構成になっているが、非常に洗練された内容であり、楽曲も更に締った感じがある。シンセを中心に演奏していたフランシスも本作では時に非常に優れたオルガンをプレイしており、彼の実力の高さを思い知らされる。
1.は非常にライヴ映えする彼らの代表曲の一つ。洗練され尽くしたクリアな演奏と美しいメロディが融合した屈指の名曲だろう。2.はソーニャの歌声にダリルの美しいヴァイオリンとフルートが絡むトラッド風の曲。ダリルがジェスロ・タロのアルバムに参加する布石が既にここにあるように思う。活き活きとしたヴァイオリンの響きはそれだけで一聴の価値あり。3.はブラスを導入した宮廷音楽調の曲だが、ヴォーカルが入るとその雰囲気を引きづりつつもアップ・テンポなポップ曲になる。終盤のヴァイオリンとブラスの絡みも秀逸だ。4.はダリル・ウェイが直に結成するウルフそのままの雰囲気を持ったインスト曲。いわゆる早弾き曲だが、官能的なメロディも共存させたなかなかの曲だと思う。5.は短いが、1stの代表曲をフランシスのシンセ・バージョンで聞かせている。1stとの聞き比べも一興。6.はブルージーでなかなかシブいオルガンのブレイが光るフランシス作の傑出した曲の一つ。7.はヴォコーダー?とシンセなどを駆使した前衛作品だが、結構聞ける。8.はヴィヴラフォンが登場するジャズ・ロック風の曲であり、キャラバンあたりの好きな人はお薦め。