文藝別冊 吾妻ひでお 美少女・SF・不条理ギャグ、そして失踪
いつもと変わらない「吾妻ひでお」がそこにある。
過去のどこかの時点で「エロ」や「ロリコン」・「萌え」が分岐して勝手に独自に成長していったとしても私には興味がない。
歴史としては記録しておく必要を感じるが「吾妻ひでお」が描く空間を楽しむには必要を感じない。
アイデアという概念を遊ぶことを書く。意味のないものが成長する。「ナハ」が巨大化する。よく分からない世界に迷いこむ
のに身構える必要は無く歩いていれば自然に迷い込んでいる。
失踪することをとっても誰にでも出来ることではなく自然の成り行きとして整理され、行動が描写されている。
過去と現在の「吾妻ひでお」を知るには最良のテキストと思われる1冊です。
人生を劇的に変える東国原式勉強法
読み物としては「芸人学生」が圧倒的に面白い。
勉強方法のエッセンスも盛込んでいるからだ。
壮年から受験生になり進学した印象で「学問の純粋な勉強方法?」と受止めて入手すると期待とはズレたものと受止めてしまうかも知れない。
これはどちらかと云えば、東国原知事が実務を進める上で心掛けている諸々の媒体を通しての情報収集方法やメモ方法に多くの紙面を割いていると云える内容である。
しかしながら、有益な内容である事は間違いない。
既に社会に出て、実務を何年も日々こなしている社会人には特に目新しい事は書いていないが「この線が普遍的な要素か」と再確認する意味でも良書だと思う。
個人的には、記憶方法について、地味ながらも自分に合うものとして反復しかないと断言している処が印象的だった。
お笑い芸人お宝珍盤コレクション
趣旨はとてもいい。コミックソングではなく、芸人さんの「マジ歌」を中心に集めてみたというのは画期的だし、類を見ないもの。ただ単に「面白い歌」を意味もなくかき集めただけの「お笑いソングブック ナンセンス歌謡の日々」なんてアルバムの10倍、いや100倍価値がある。それに、監修・解説・選曲は土龍団のお歴々だからハズレはない。
でもね・・・裏に大きく「18(関敬六「浅草の女」)以外は全て初CD化」って書いてあるけど、それは間違い。21曲目・林家木久蔵師匠の「酔姫エレジー」は1996年発売の「山本正之作品大全集」に収録済みなんだ。しかもこっちは、B面の「歌奈里亜」も入ってるんだな(なぜなら読んで字の如くどちらの曲も山本正之先生の作詞・作曲だから)。
そういうことで、とってもいいCDだけど致命的なミスがあるので星を4つにしました。ただ、帯にもあるように、こういう良質のCDを多くの人が購入すると続編が出る確率が非常に高くなる。「山本正之作品大全集」は現在入手不能なだけに、このCDを買ってみんなで楽しんで欲しいと思います。
彼岸島 スペシャルコミック・エディション (初回限定生産:本編DVD+特典DVD)
本編は原作とは一味違うオリジナル作品として楽しめました。
ワールド・プレミアの行われた釜山映画祭ではR15指定になったようですが、日本でそれを避けるため、女性や子どもが見やすいように配慮したかと思われます。
石黒英雄さんや渡辺大さんの体を張ったアクションや、なんと言っても雅役の山本耕史さんの妖艶な怪演ぶりは必見です!!
買うなら特典映像付の初回限定版がオススメです。
公開前にシークレット扱いだった雅の映像がかなり出てきます。
尺の問題からか、日本でのR15指定を避けるためだったのか、カットされた未公開シーンの撮影風景もあります。
このシーンはいつかディレクターズカット版が出て見られることを希望します。
また、本編はかなり続編を意識した作りになっていますので、できれば続きが見たいです。
失踪日記
吾妻先生が失踪したらしいとかアル中になったらしいという噂はタビタビ聞いていました。それもあって、ページをめくるたびに「マジで?」「ホントに?」って叫びながら読んでいました。「これネタだろ」と思うほど人生が二転三転、じゃなかったどんどん坂を転がっていく。その凄まじさを淡々と書いているところが不条理日記より不条理です。一番笑った箇所はホームレスの吾妻先生が警察に保護されたあたり。ロリが少し入っている警察官のH田が飛び込んできて「色紙お願いします。」イラストになぜか”夢”という言葉を入れる。うーん、シュールな情景だ。これで復活!となるかどうかはわかりません。吾妻先生のことだし。今や中年になってしまった元ファンより最後に一言:長生きしてください吾妻先生