II
前作からえらく歳を重ねたメンバーですが、やはりその分、
音に深みが増しました。
民生とヤックのハモリが心地いい!!
セルフカバーの三曲は微妙にスローになったりして、前作とのひかくもおもしろいのでは
基本的に民生色の強い曲は一曲目のマルホランド~だけですけども、
もうちょっと民生のボーカル聞きたかったですね。
後はサムシングワイルドのセルフカバーも聞きたかったなあ~
でも、こういう聞く側の欲望を微妙に裏切るのが民生のやり方なんですよね、
スパゴーは昔からゴリゴリのギターサウンドで今の民生のノリにマッチしてます。
前作はスパゴーサウンドに民生が歌う的なイメージでしたが、今回は本当に一つのバンドになったって感じがします。
ブルーベルベット (特別編) オリジナル無修正版 [DVD]
いやぁ、素晴らしいですね。
リンチ監督はやっぱり基本がしっかりしてるから、わけわかんない映画を撮っても面白いんです。色、構図、音楽すべてが素晴らしい。
「イレイザー・ヘッド」とか「マルホランド・ドライブ」とか、その辺の作品と比べるとかなり分かりやすくて、とっつきやすいです。
これからリンチ作品を観てみようかな〜と思っている方にはオススメ!
ロスト・ハイウェイ [DVD]
よく、つじつまが合わない、時間が一直線には流れない小説があると思います。
この手の話は理屈合わせをするより、結局、どうなるんだろうとハラハラして観る事を
お勧めします。ある意味、なんでもありなので、普通のオチになれている人も結末を
予想できないので緊迫感があるかと。
甘いけど毒があるという感じの性描写・暴力描写はリンチならでは。
ストーリーは、2人1役の男と1人2役の女の物語で、男は結局、
女に翻弄され続けるという話。
大人の男なら共感しながら観れるのでは?
マルホランド・ドライブ [DVD]
リンチの大方の映画というのは、世界の暗部を描くかたちとしては圧倒的な形式かもしれない。それの真骨頂にある映画が「マルホランド・ドライブ」だろうか。
初期の「イレイザー・ヘッド」あたりは、その二度と見たくないと思わせ、うなされるような悪夢そのものの恐ろしさ、不快さ、音響もそのままの世界で、恐怖映画の斬新さがあったが、それもマニア的に感じた。
しかし「マルホランド・ドライブ」では、「ツインピークス」から続いているような、現実の世界と繋がり、重ね合わせた世界の暗部、呪術、ブラックマジックに操られた悪意の人物が暗躍し、平静な日常の太陽の光からは隔絶した闇の力が、ぼくらの世界を揺るがして不安になる。
ツインピークスでは、「ブラック・ロッジ」という言葉も散見されたが、これは善なるフォースの集団が「ホワイト・ロッジ」ならば、「ブラック・ロッジ」とは悪のフォースの集団ということである。これについてはリンチは、その神智学的な類いの知識があるのだろう。そういうアイデアを生かして取り入れたという気がしていたが、あくまで物語の要素としてだろう。
健全な性善説の世界で生きている人には、どうしてもあまりお薦めできない。怖がりの方は観ない方が良い。
というより、「マルホランド・ドライブ」の物語を順を追って着いて行きながら理解しようとしたら、わけが解らないということになる可能性が大きい。
むしろ夢の物語が、時間軸も登場人物も、起きる事の次第も錯綜し、パッチワークのように継ぎはぎされ、解きあぐねる自分の心理の解釈も一筋縄でいかない秘密の層をなすように、そんな悪夢の展開を楽しむことがお好きならお薦めしたい。
謎解きにやっきになりたい中毒性もありそうだ。しかもリンチの映画に登場する女性はエロティシズムもブラックマジック的だ。
しかし、あくまでこの映画で描かれたのは、リンチ自身が言うように、「ハリウッドの暗部」を、「抽象として」描いたということで納得できるだろう。
田舎からダンス大会で優勝した女優志願の女性。彼女が夢を描いて着いた土地がハリウッド。その地に着いたときから彼女はマジックにかけられている。その後、彼女はハリウッドの世界で生き、「愛」や「挫折」や「嫉妬」や「憎しみ」を経験し、どうなっただろう。
富の集中するセレブな世界の闇に、平凡なぼくらは馴染みのないブラックマジックがかけられている。
葛藤と罪悪感、そのドライブの果てに辿り着くところは・・。
事の次第は整理すると単純なのだろうが、映画全体で、その世界、人間の暗部の感情が「抽象」として構成された意欲的な作品。キューブリックの「アイズ・ワイド・シャット」をふと思いだした。
こういう映画は作る作者自身の方が楽しいのじゃないだろうか。見せられるほうは、映画の展開に妙に釘づけになりつつも、観終われば、明るい太陽の下で解毒したくなる.