ZOOKEEPER(1) (イブニングKC)
面白いわぁ。
絵は正直、今時でない。
ペンタッチやトーンの使いどころや、表情の作り方は結構独特。
主人公は温度を見る、という特殊な能力を持っているものの、話はそれを中心に据えて作られたりはしておらず、
動物園と、そこに住まう動物、関わる人々を描いており、カテゴリーするならば「職業もの」になるだろう。
主人公が転々と担当することになる動物たちの姿、特徴等もしっかりと描かれているが、
その飼育を担当するプロフェッショナルな人々の描写もとても面白い。
特筆すべきはやはり、園長。
この人は黒い。とてつもなく黒い。
しかし誰よりも深く、動物園という存在を見つめており、その言葉は価値観を大きく、抉る。
だが、この漫画自体は、安易に結論を押し付けはしないようになっている。
ストーリーは動物たちに纏わる一つ一つの出来事と、それに触れ、行動していく主人公の姿を描く。
この作品としての結論は、これからも描かれていくのだろうが、この一巻でも十分、さまざまなことを考えさせられるのには十分。
面白いなあ。これからも楽しみ。
ところで園長、左手の薬指に指輪してるんだね
あの人食い熊の奥さんってどんな人なんだろ…(連載では出てるのかなあ)
ZOO KEEPER
「GBAで出ているゲームをわざわざDSで?」と、ちょっと半信半疑で、購入までしばらく時間がかかりました・・・その間、ネット上で無料で遊べるフラッシュ版をマウスでちまちまプレイし、最初は「こんなものか」というフツーな感想だったのですが、次第にそのゲーム性にハマり、マウス操作がわずらわしくなり、DS購入を決意しました。やってみて、操作のし易さに感動しました。ほぼ思考のスピードでコマを選択し動かせると言っても過言ではありません。DSのタッチ仕様がこれほどまでにパズルゲームに有効だとは思いませんでした。パズルゲームでわすらわしのは、やはり目的の場所までカーソルを持って行く事ですよね。いろいろなモードがあり、どれも文句なく面白いです。2画面は必要ないけど(笑)
ZOOKEEPER(5) (イブニングKC)
3,4,5巻と続けてレヴューを書かせてもらっているが、今回も読み応えのある内容だった。但し、内容が感染症と育児放棄といった、かなり重いものになっており、しかも重層的に話が展開する(人間と動物の両方で同じテーマが進む)ために幾分わかりづらい部分があった。また、それぞれの動物の特徴的な生態というよりも、それらが如何にして阻害されてしまうか、という話の流れであり、もう少しタヌキやアルマジロの生態を知りたいという消化不良の印象が残ってしまった。それでも、このように難しい問題を丁寧に描こうとする作者の態度はとても好感が持てるし、だからこそこのマンガを読みつづけていると言える。
ZOOKEEPER(8) (イブニングKC)
最終巻はバタバタしていたという意見も分かりますが、むしろ最後まで手を抜くことなくきっちりと誠実に作品をまとめ上げた手腕に賛辞を送りたいです。ペンギンの回もチンパンジーの回も、主張が心に突き刺さりました。思えば、何度、この作品に目頭を熱くさせられたでしょう。もし、絵柄で手に取ることをためらっている方がいるのであればもったいないです。風のように走り出すチーターを、死の間際に一瞬だけ飼育員と心を通わせるアフリカゾウを、いたずら少年に頭突きを食らわして誇らしげに立ち去るヤギを、木の枝を跳び回るコアラを……動物という生命の面白さを、ぜひ、この漫画で体験してみてください。