星を継ぐもの 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
J・P・ホーガンの同名原作を読んでいるが、連載も楽しみながら読んでいる。著者にとっては、本格的なSF作品は久しぶりである。
月面で宇宙服をまとった死体が発見される。調査の結果、この死体は何と死後五万年を経過していることがわかった。果たしてこの死体は、人類なのか異星人なのか。国連宇宙軍が調査に乗り出すが…
全体的に見ると、原作の大枠は生かされている。しかし、改変された部分がないわけではない。
例えば、主人公のヴィクター・ハントが国連宇宙軍から依頼されて、死体の素性を調べる任務にあたっているのはほぼ原作通りだが、一方で国連宇宙軍と対立する国際平和委員会が存在していて、何かと調査にかかわってくる。さらに、彼らの関与が疑われるトラブルも発生する。また、調査を取り仕切るコールドウェル国連宇宙航空通信局本部長やその秘書リンなど、女性の活躍も目立つ。
ただ、原作通りに生物学者のダンチェッカーや言語学者のマドスンは登場する。
上にも書いたように地球内で対立組織を登場させ、調査の先行きに障害が予見されることなどは、著者らしい設定である。ただ、原作の結末を大きく改変するとは思えない。その画力が壮大なクライマックスをどのように描くのかは楽しみでならない。
LEGEND OF GIANTS 巨人たちの伝説 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
星野さんがホーガンの世界を描きたくなった理由がよく分かる作品群だ。
地球の氷河期というのは、その克服方法がSF作家の想像力をかき立てるのだと思う。
20年以上の前の昔の作風だけれども、描かれている世界は素晴らしい。
やはり宇宙物を描かせても超一流の作家なのだ。
残像 (MF文庫)
中学生の頃に夢中になって読み耽った、あの天才SFマンガ家《星野之宣》氏の、傑作短篇集です。収録されているのは、「美神曲」、「残像」、「世界樹」の三編です。どれも傑作ですが、特に最後に収録された「世界樹」という短篇には、絶大な影響を受けました。この《世界樹/ユグドラシル》というイメージは、今でも、私の思想の《根幹》として存在しています。この短篇集は、今ではメディアファクトリーという出版社から、さらに短篇を三編追加して、文庫版として再発行されているみたいなので、興味のある方には、そちらをオススメします。面白いですよ。
星を継ぐもの 3 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
・ガニメアンのフネが100万年前間飛び続けていた理由は?
・ルナリアンの抗争の原因は?
・平和委員の正体は?
………。
これだけ書くと、多くの人はその人なりの予想をするでしょう。
でも、話の展開は違うのです。その上で、すべてが一つのストーリーとして破綻無く繋がっています。
常に、読む人の予想を裏切る。展開が読めません。
私は普段あまり漫画を読まないのですが、展開に引き込まれてしまいます。
1巻、2巻と続いてきましたが、最新刊になるほど面白くなります。
これはホントです。第4巻が本当に楽しみでなりません。
未来の二つの顔 (講談社漫画文庫)
信じられないぐらい凄くて面白い素晴らしい作品。
SFのオールタイムベスト1だ!
ん?「創世記機械」の時も同じような事を書いた気がする。
現代においてホーガンは世界一の知的レベルのSF作家である。
ホーガンとなんとか比較できるのはA・C・クラーク、アイザック・アシモフぐらいのもんで、
他のSFはあまりにもレベルが低いと言わざるを得ない。
で、本書は、直径1.5マイル密閉型スペースコロニー≪ヤヌス≫において戦われた、
コンピュータ【スパルタクス】対人類の、命を賭けたシミュレーションウォーゲームを描いたお話である。
ストーリー、イメージ、語り口、キャラクター、アイデア、ムード、テーマ、
小説を楽しんで感動する要素がすべてこの一冊にはある!
本書を読んだ後でも、敵が攻めてきたら俺は戦うぞ!
とマジに言う奴に、
いくら平和の尊さ、
人命の重さ、
戦争の無意味さを訴えたところで無駄である。
勝手に軍人にでも従軍慰安婦にでもなって死になさい。